「空蝉(うつせみ)の からは木ごとに とどむれど
たまのゆくへを 見ぬぞかなしき」 (古今和歌集 詠み人知らず)
(意訳)
セミの抜け殻の体は木々に残っているけれど、魂(たましい)の行方(ゆくえ)をみることができないのは悲しいことです。
土の中での幼虫を守る鎧(よろい)を脱げ捨てた空蝉と羽化した後の成虫のアブラぜミと並んでいるのは面白いものですね。
空蝉とその行方の「アブラゼミ成虫」の対比を見ると無常を強く感じます。
夏も本格的になってきました。
この写真は午前中に撮影したので、アブラゼミは鳴いていませんでしたが、午後になると多分、激しく鳴いていると思います。
もう、蝉時雨(せみしぐれ)の聞こえる時期なのでしょうね!
「閑(しず)かさや 岩にしみいる 蝉の声」 (松雄芭蕉)