今年も、秋の渡りのツツドリが近所の桜の林にやってきました。
ツツドリは、木にとまって口をあけているので「ポッポッ、ポッポッ」と啼いているようですが、カッコウやホトトギスのように派手な鳴き声ではないし、高い場所にとまっているので、よく聞こえません。
ツツドリ(Cuculus optatus, oriental cuckoo)は、カッコウ目カッコウ科の鳥で大きさは、全長 30〜32cmです。
ツツドリは、カッコウととてもよく似た鳥で、山地で繁殖するので、夏鳥ですが、里では春と秋にやってくる旅鳥です。
全長は、カッコウが一番大きく、ツツドリは中間で、ホトトギスが最小ですが、ツツドリとカッコウは、2センチ程度の違いなので、外見では区別が難しい鳥たちです。
春は、よく啼きますが、秋はあまり鳴かないので困ります。
ツツドリのオスは、頭部と上面は灰青色ですがやや黒みが強く,胸以下の下面は白色で,黒い横斑があります。ツツドリのメスには背面が赤褐色の赤色型もあります。
この場所に私が、到着したときは赤色型もいたらしいのですが、彼方の林に飛んでいったようです。
すぐには戻ってこないようなので、赤色型は、次の機会に撮影することにして、普通のツツドリを撮影しました。
この桜の林には毎年8月下旬頃にやってきて、桜の木にとまっている毛虫を食べつくしてしまう9月の始めころまで滞在して越冬地に帰っていきます。
現在、5〜6羽は、来ているようです。
ツツドリは桜の枝に止まりながら大好きな毛虫を探してクチバシにくわえで、得意そうに振り回していましたが、そのうち飲み込んでしまいました。
枝にとまっていたカッコウのように見える鳥を撮影していると、突然こちらに向かって飛んできました。
あわててシャッターを押したのですが、近すぎて望遠レンズのフレームからはみ出してしまいました。まるで、眼の前に飛んできたように感じました。
下の2枚の写真のカッコウのような鳥は、お腹のしま模様が細くて薄いので、ツツドリではなくカッコウかもしれません。
「山うらの 一つところより 聞こえくる
筒鳥(つつどり)のこゑは 呼ばふに似たり」 (島木赤彦)