「月に雁」は、古来多くの日本人に愛されたテーマのようです。
有名な浮世絵に歌川広重作「月に雁」があります。
この絵は、縦39cm、横13cm。短冊型の多色刷り木版画で、1949年に切手の 図柄にもなっている作品です。
上空から眺めるような幾重にも盛り上がった空から舞い降りる三羽の雁を短冊判にまとめた広重の傑作です。
三羽の雁がねぐらに帰るところなのか?仲良く水辺へ向かって舞い降りる構図です。
夕刻になると、ここ宮城県北部にある蕪栗沼遊水地(かぶくりぬまゆうすいち)上空を多数のマガンの家族がねぐらに向かって通り過ぎていきます。
11月21日の黄昏時(たそがれどき)それらの雁の一部が輝き始めた月をかすめて飛んでいきました。
マガンたちは、思うような構図で飛んでくれませんが、「月に雁」のテーマを狙って撮影してみました。
「一行(いっこう)の 鳫や端山(はやま)に 月を印(いん)す」 (与謝蕪村)