なかなかなかね野鳥と自然の写真館

疾風怒涛の時代が過ぎ去っていきます。私たちがその中で、ふと佇む時、一時の静寂と映像が欲しくなります。微妙な四季の移ろいが、春や秋の渡りの鳥たちや、路傍の名もない草花にも感じられます。このブログは、野鳥や蝶、花や野草、四季の風景などの写真を掲載しています。

波崎漁港のウミスズメ

波崎漁港は茨城県の最東南端に位置する漁港で、利根川が太平洋に注ぐ場所に位置しており、古くから漁業が盛んで、イワシの漁獲量は千葉県銚子漁港に次ぐ日本第2位だそうです。

1月27日は、波も穏やかでほとんど風もなく、この漁港の周りにいる多数のウミネコセグロカモメオオセグロカモメものんびりと日向ぼっこをしています。

港内の水上には、カンムリカイツブリ・アカエリカイツブリなどが浮かんでいました。

よく観ると、背の低いぺちゃんこな水鳥が直線的に泳いでいます。

このずんぐりむっくりしたひょうきんな鳥は、絶滅が心配されているウミスズメ環境省レッドリスト・絶滅危惧 IA類 (CR))のようです。

直ぐにもぐってしまうし、かなりばらけて浮かんでいるので、数えにくいのですが、4羽はいるようです。

ウミスズメは、日本海沿岸、千島列島、カムチャツカ半島南部からアリューシャン列島、カナダ沿岸にかけて繁殖分布するそうです。

冬は、南下して過ごすそうで、日本全国の海岸で見られるようです。

かって、天売島では、1959年ごろは500羽ほど生息していたそうですが、1963年にはほとんど見られなくなってしまって、現在、ほんの少数が繁殖しているとのことです。

通常は岸から数kmの沖合の海上に生息し、上陸するのは繁殖期に岩礁や島に上陸する程度とのことで、海荒れのときには、港湾にも入るようです。

ここのウミスズメたちは、直線的に進み、直ぐに潜水し、直ぐに浮かび上がり、また潜水することを何度も何度も繰り返していました。

陸の上からは、なかなか見ることができない希少な海鳥なので、この愛らしい姿を目に焼き付けて帰途に着きました。