オジロトウネンが調整池の水溜りの岸辺でチョコチョコ動き回りながら採食しています。以前は関東地方以南で多数が越冬していたようですが、今では水辺で一羽か数羽を見るだけに減少しているようです。
国際自然保護連合(IUCN)により、2004年からレッドリストの軽度懸念(LC)の指定を受けています。
オジロトウネンは、スズメやトウネンより少し小さくトウネンとよく似ていますが、脚の色が違います。トウネンは黒くオジロトウネンは黄色です。
トウネンは、海岸線を群れで移動する旅鳥ですが、オジロトウネンは内陸を単独で旅するようです。
一般には、小さくて地味な渡り鳥オジロトウネンに気づく人はあまりいませんが、オジロトウネンはバーダーには、根強い人気があるようです。
それは個体数が少ないことと、薄い灰色で上品な可愛さがそのチャーム・ポイントのようです。
ここでは一羽だけが観察されているようです。
鴫(しぎ)の季語は秋なので春の名句は無いようです。
そこで、鴫にまつわる西行から芭蕉、蕪村と続く歌を鑑賞してみましょう。
「心なき 身にもあわれは 知られけり
鴫立つ沢の 秋の夕暮」 (西行法師)
意訳:私は出家して俗世間の感情を捨て切った僧の身なんですが、しみじみと感じます。シギが飛び立つ秋の夕暮れ時は!
「こちら向け 我も寂しき 秋の暮」 (松尾芭蕉)
意訳:秋の暮れのたださえものさびしい中に、この画像に描かれている貴方はいつもむこう向きになっています。私にもさびしい秋の暮れなんです。こっちを向いてくれませんか。いっしょに語り合おうではありませんか。
「こちら向きに たつ鴫はなし 秋の暮」 (与謝蕪村)
意訳:西行の詠むシギの飛び立つ沢はさびしい秋の夕暮れですし、芭蕉の詠む振り向いてくれない友といっしょにいる秋の夕暮れも寂しいものです。でも、私にはシギもいなければ語り合う友もいません。もっと二人の先輩よりも、ずっと寂しい秋の暮れです。(この句は上の2句を前提ー本歌取りーとしているようです。