なかなかなかね野鳥と自然の写真館

疾風怒涛の時代が過ぎ去っていきます。私たちがその中で、ふと佇む時、一時の静寂と映像が欲しくなります。微妙な四季の移ろいが、春や秋の渡りの鳥たちや、路傍の名もない草花にも感じられます。このブログは、野鳥や蝶、花や野草、四季の風景などの写真を掲載しています。

手賀沼遊歩道脇で咲いている「あやめ」

「ほととぎす 鳴くや五月の あやめ草 
             あやめも知らぬ 恋もするかな」

                        (古今和歌集 よみ人しらず)


意訳:ほととぎすが鳴く五月に咲きほこるあやめ草、そのあやめではないけれど、
   この世の筋道(あやめ)もわからなくなるような恋に焦がれている私)


手賀沼遊歩道脇に紫色の花が一つだけスックと立って咲いています。

まだ五月ではないのですが健気(けなげ)に咲いています。

「あやめ」でしょうか? 「しょうぶ」でしょうか?

「あやめ」は、背が低いのでひょっとしたら「しょうぶ」かもしれません。


「わが恋は 人とる沼の 花菖蒲(はなあやめ)」    (泉鏡花


意訳:私の恋は、底のない泥沼に入らないと成せない恋なのです。 花しょうぶを、花あやめと呼ばせるように。



注:花菖蒲は、ふつう(はなしょうぶ)と詠みますが、ここでは(はなあやめ)と詠んでいます。ですから鏡花の恋は「道ならぬ恋」多分、人妻への恋なのでしょう。