なかなかなかね野鳥と自然の写真館

疾風怒涛の時代が過ぎ去っていきます。私たちがその中で、ふと佇む時、一時の静寂と映像が欲しくなります。微妙な四季の移ろいが、春や秋の渡りの鳥たちや、路傍の名もない草花にも感じられます。このブログは、野鳥や蝶、花や野草、四季の風景などの写真を掲載しています。

甲斐路で囀るコマドリ

「山にいりて  世ははるかなり 渓川(たにがわ)や 
                 あを葉にひびく 駒鳥(こまどり)の声」
     
                      (中村憲吉)


夜がだんだん遠ざかり、眩(まばゆ)い五月の太陽が、甲斐路(かいじ)の深い森を照らす時、コマドリが、高らかに恋の歌を歌います。

「ヒイン・カラカラ」と馬のいななきのような抑揚(よくよう)で、三鳴鳥(さんめいちょう)の歌声が、青葉・若葉にひびきわたります。

最初、遠くに聞こえていたコマドリの囀りがだんだん近くなって、高い梢(こずえ)にコマドリの姿が見えるようになりました。

ついに、その姿が眼前の倒木の上に現れました。

最初、倒木の上を歩いていましたが、突然立ちどまり、大きな声で囀りました。

夏鳥として飛来するコマドリですが、通常、都市部で見かけることはありません。

旅の途中に都市公園(たとえば東京では光が丘公園、水元公園など)に1日〜数日滞在することはありますが、なかなか会えない鳥の一つです。

コマドリは、深い森の渓流の笹薮などの日陰を好むため、鳴き声が美しいにもかかわらずウグイスのように鳴き声は聞こえるのですが姿をみかけるのは、とても難しい鳥の一つです。

それでも、この山奥では毎年五月頃にはよく会うことができます。

ここでは、山々のあちこちからコマドリの鳴き声を堪能することができ、さらに囀る姿を近くで見ることができます。

今年もコマドリに会えて良かった!