なかなかなかね野鳥と自然の写真館

疾風怒涛の時代が過ぎ去っていきます。私たちがその中で、ふと佇む時、一時の静寂と映像が欲しくなります。微妙な四季の移ろいが、春や秋の渡りの鳥たちや、路傍の名もない草花にも感じられます。このブログは、野鳥や蝶、花や野草、四季の風景などの写真を掲載しています。

高い卵識別能力を獲得したホオジロ

目の前のヨシ原に鳥が飛んできました。

ホオジロのようです。

このあたりは、あちこちでオオヨシキリが囀っています。

ホオジロは、ヨシ原で動き回っていましたが目の前から飛び去っていきました。


ところで、どうもホオジロは、オオヨシキリよりも卵識別能力が高い鳥のようなのです。

江戸時代の文献によれば、その頃、本州中部のカッコウは、ホオジロに托卵していたと書かれているそうです。

ホオジロの卵は綿模様が非常に目立つ卵で、その頃ホオジロに托卵していたカッコウの卵を見ると、ホオジロにそっくりのカッコウの卵がたくさんあるようです。

でも、最近ではカッコウホオジロには托卵していないそうです。

なぜ、托卵しなくなったのでしょうか?

その原因を調べるために、粘土でカッコウの卵に似せた卵をつくり、いろいろな鳥の巣に入れて実験してみると、ホオジロの卵識別能力が最も高いことが分かったそうです。

ホオジロの巣の中にその似せてつくった卵を入れると、ほとんど30分以内に放り出されてしまうそうです。

かつてホオジロはさんざんカッコウに托卵されていて、カッコウホオジロの卵そっくりの卵を産む段階にまで進化したそうです。

ところが、ホオジロのほうがさらに高い進化をして、高い卵識別能力を獲得したために、カッコウは托卵できなくなってしまい、オオヨシキリとかモズとかに相手を乗り換えたようなのです。

つまり、今のホオジロは高い卵識別能力を獲得した進化したホオジロなのです。

でも、最近はオオヨシキリカッコウに托卵されていることに気付いてきており参考写真のように身体の大きいカッコウに戦いを挑んでいるようです。

そのうち、オオヨシキリホオジロのように高い卵識別能力を獲得するかもしれません。










参考:以前撮影したカッコウと戦うオオヨシキリ