なかなかなかね野鳥と自然の写真館

疾風怒涛の時代が過ぎ去っていきます。私たちがその中で、ふと佇む時、一時の静寂と映像が欲しくなります。微妙な四季の移ろいが、春や秋の渡りの鳥たちや、路傍の名もない草花にも感じられます。このブログは、野鳥や蝶、花や野草、四季の風景などの写真を掲載しています。

浅羽ビオトープのイカルたち

3月12日、午後、浅羽ビオトープに着きました。

浅羽ビオトープは、埼玉県坂戸市にある高麗川の河川敷に散策路が整備されているビオトーブです。

その散策路を歩いていたら、突然、路傍から鳥が枝に飛びました。

クチバシの黄色がよく目立つイカルです。

散策路の叢の草の実などを漁っていたイカルたちが路傍から一斉に飛び立ちます。

数十羽以上のイカルの群れです。



イカルは、昔から里の鳥として、知られていたようで、聖徳太子の宮があった斑鳩(いかるが)の地名もイカルか、たくさんいたからのようです。斑鳩は、イカルの古名で「斑鳩の里」は、イカルの里という意味とのことです。

イカルは、低い山で繁殖する鳥でしたが、近年、東京の郊外でも、繁殖期の春から夏にもイカルが、残っている処が、あちこちにあるようです。



少し、その場で待っていると、また、イカルたちが戻ってきました。

彼方此方の枝にとまって様子を見ています。

今度は一斉に路傍の叢に降り立ち草の実を食べ始めました。



「近江(あふみ)の海 泊(とま)り八十(やそ)あり 八十島(やそしま)の 島の崎々(さきさき) あり立てる 花橘を 末枝(ほつゑ)に もち引き懸け 中つ枝(ゑ)に 斑鳩(いかるが)懸け 下枝(しづゑ)に 比米(ひめ)を懸け 汝(な)が母を 取らくを知らに 汝が父を 取らくを知らに いそばひ居(を)るよ 斑鳩と比米と』(万葉集


意訳 近江の海には船が泊まる湊が沢山あり、また、沢山の島のその島の崎々に生えている花橘の梢の枝に鳥もちの仕掛けを付けて、中ほどの枝に囮りのイカルを仕掛け、下の枝に同じ囮りのシメを仕掛けて、お前たちの母の鳥を取ることを知らないし、お前たちの父の鳥を取るのを思いもしないで、じゃれ合っているよ。イカルとシメの子が。



以下の写真は、キヤノン望遠ズームレンズEF100-400mmF4.5-5.6L IS USM+エクステンダー1.4IIをCanon EOS 7D Mark II に装着し手持ち撮影しました。