「はらはらと 雀(すずめ)飛び来る 木槿垣(むくげがき)
ふと見れば すずし白き花二つ」
(北原白秋)
7月28日は暑い日になりました。。
こんなとき、清清しく咲く花を見かけると、一瞬、涼しげに感じるものです。
ムクゲは、朝方3時頃に開花し、夕方にはしぼんでしまう、「一日花」だそうです。
白楽天(はくらくてん)の漢詩に「槿花一日(きんかいちじつ)自(おのず)から栄を為(な)す」というムクゲの花のたとえがあるようです。
辞書の広辞苑(こうじえん)によれば、
槿花一日の栄(きんか いちじつのえい)
白居易、放言詩「松樹千年終に是れ朽ち、槿花一日自ずから栄を為なす」]
栄華のはかないことを、ムクゲの花にたとえていう。
「槿花一朝の夢」とも。
と説明されています。
また、「槿花一朝(きんかいっちょう)の夢」は、人の世のはかなさの例えに使われています。
しかし、白楽天は、単にムクゲをはかない例えに使ったのではなさそうです。
この詩の前段とその後段は
松樹千年(しょうじゅせんねん)終(つい)に是(こ)れ朽(く)ち、
槿花一日自ずから栄を為なす
何ぞもちいん世を恋(こ)うて常に死を憂(うれ)うるを
また身を嫌いてみだりに生を厭(いと)うことなかれ
と詠(うた)っています。
(意訳)
松は千年生き続けるといわれていますが、ついには朽(く)ち果ててしまいます。
木槿(むくげ)の花は一日だけの命ですが、その一日はそれ自身、美しく輝いています。
いつまでも生き続けたいと死を恐れることもないし、
自らを嫌い生き続けることを厭(いと)うこともありません。
つまり、白楽天(=白居易)は、ムクゲの花は、一日花ですが、それ自体で完結(かんけつ)していて千年一日の如(ごと)しと詠っているようです。
また、ムクゲの花は、、実は、一つ一つの花はかない命ですが、次々に別の花が咲くため、長く咲くように見えます。
私たちを含む動植物の命も個々の命は、はかないものですが、地球誕生以来続いてきている命なのです。
以下の写真はPanasonic コンデジ ルミックス ブラック DMC-FZ150-K (LEICA DC VARIO-ELMARIT広角25mmでF2.8、望遠側600mm相当でF5.2レンズ搭載)で手持ち撮影しました。