なかなかなかね野鳥と自然の写真館

疾風怒涛の時代が過ぎ去っていきます。私たちがその中で、ふと佇む時、一時の静寂と映像が欲しくなります。微妙な四季の移ろいが、春や秋の渡りの鳥たちや、路傍の名もない草花にも感じられます。このブログは、野鳥や蝶、花や野草、四季の風景などの写真を掲載しています。

山吹の花

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上の写真はライカのコンパクトデジカメD-LUX3 (35mm判換算28~112mm、F2.8~4.9のLeica DC Vario-Elmaritレンズ)で手持ち撮影しました。

 

4月3日我が家の自宅前に咲いていた山吹です。

毎年この時期に咲くのですが、写真撮影をほとんどしていないので今回、お手軽なコンデジで撮影してみました。

 

山吹の花を見るといつも以下の和歌を思い出します。

 

 七重八重花は咲けども山吹の実の一つだになきぞ悲しき

 

『後拾遺和歌集』に収められている兼明親王(かねあきらしんのう)の歌です。

 

この歌は、太田道灌(どうかん)の伝説で有名です。

太田道灌がまだ若かりし頃、鷹狩りに出掛けてにわか雨に遭遇し、ある一軒の農家で雨具の蓑(みの)を借りようとすると、そこの娘が盆の上に山吹の一枝を乗せて差し出したという話。

その場では意味が分らず、道灌は怒って帰り、後で家臣に、山吹の古歌の「実の一つだになきぞ」になぞらえて、「お貸しする蓑一つないのが悲しいことです」と、伝えたかったのだと聞かされ、道灌は大いに恥じて、その後一生懸命学んで当代一の歌人になったとの伝えです。(『常山紀談』)