なかなかなかね野鳥と自然の写真館

疾風怒涛の時代が過ぎ去っていきます。私たちがその中で、ふと佇む時、一時の静寂と映像が欲しくなります。微妙な四季の移ろいが、春や秋の渡りの鳥たちや、路傍の名もない草花にも感じられます。このブログは、野鳥や蝶、花や野草、四季の風景などの写真を掲載しています。

青空の中のイスカ

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     上の写真はキヤノンの一眼レフEOS7DmarkⅡにCANON EF100-400mgm F4.5-5.6L IS II USMを装着して手持ち撮影しました。

12月10日、とても暖かい快晴になりました。午後2時頃、長野県の岡谷市塩尻市の市境となる勝弦峠の南側の尾根筋道路脇の梢にイスカのメスが現れました。

鳴きもしないでぽつんと止まっています。

この場所は、以前は、イスカの群れが、何度も見られたのですが、この日は、朝、10時~午後2時の間に、2時頃一度だけ姿を見せただけで、それ以外は観察できませんでした。

この辺りは松ぼっくりがたくさんあるので、彼らの群れは、クチバシを使って松ぼっくりの実を食べようと飛びまわっているはずなのですが・・・。

イスカは、雀より少し大きく、雄は翼と尾羽は黒褐色で、ほかは暗赤色。雌は、写真では光って色が分かりにくいですが、額から背がオリーブ緑色で、体下面は黄色がかった白色、羽は黒灰色です。

イスカの嘴は、その先端で上下が交差します。上嘴は右に、下嘴は左にと曲がっています。これはイスカの主要な餌であるマツの種子が、その殻の奥にあるためそれをそぎとるのに便利なように進化したものと考えられています。

イスカはヨーロッパ、アジア、北アメリカに広く分布する鳥で、日本には冬鳥としてやって来ますが、年によって渡来数にはかなり変動があるようです。

イスカは漢字で交喙と書きますが、英名も交差した嘴の意からCrossbillと呼ばれています。

日本では「交喙いすかの嘴はしの食い違え」(ものごとが食い違ってうまくいかないたとえ)などと、あまりいい意味で扱われない鳥ですが、欧米では人びとを病害から守る幸運の鳥とされてきたそうです。

それはイスカがキリストの十字架の釘を抜こうとしたために嘴が曲がってしまったという言い伝えがあるからとのことです。


このイスカが飛び立つとその辺りに隠れていた鳥が一羽一緒に飛んで行きました。

どうもオスのイスカのようです。

 

オスのイスカが撮りたくて、その後3時過ぎまで待ちましたが、イスカは、現れませんでした。

後ろ髪を引かれるような想いで帰途につきました。