「自在置物 鷹」明珍清春作:江戸時代・18〜19世紀
東京国立博物館の常設展示場の
自在置物 鷹
の説明の一部を以下に引用します。
江戸時代の自在置物は、ほとんどが鉄製です。茶釜のように溶かした鉄を鋳型に流し込んで作る鋳造(ちゅうぞう)という技法もありますが、甲冑や刀剣などは、鉄の塊や板を熱して赤め叩くことを繰り返す鍛造(たんぞう)により成形します。いったん形を作ってしまえば、固く頑丈なのですが、そこまでもってくるのに、たいへんな手間と時間、そして技能を必要とします。見方を変えれば、鉄を鍛造して組み上げる「自在置物」は、同じ材質と技法で甲冑を作っていた甲冑師たちにとっては、まさに「お手の物」でした。江戸時代の自在置物には、「明珍」という姓をもつ作者の名が記された作品があります。この明珍は甲冑師の一派で、大名の所在する各地で活躍していました。今回の展示の中にも、明珍姓の作品がいくつかあります。(以上)
この鷹の置物は、刀剣の三日月宗近の展示場の同じフロアで、向かって右に展示されていました。
本物そっくりで昔の甲冑師の腕前を思い知りました。
以下
[なんでも鑑定団の説明]を読みやすくしました。
自在置物とは鉄や銅、銀…などを用いて本物ソックリに動くように仕上げた置物。岡倉天心は欧米美術を視察した際に日本製の自在置物を目にして痛く感心したと伝えられています。
現在確認されている最も古い自在置物は1713年に明珍によって作られたもので、江戸時代中期には作られたと考えられているそうです。
海外でも万国博覧会に出品されたのがきっかけで高い評価を得ることとなり、多くが輸出されたため国内に現存するものは少ないようです。
喫茶去
ベートーヴェン交響曲全集
アバド&ベルリン・フィル2001年ローマ&2000年ベルリン・ライブ)
1999年から2000年にかけて集中的にセッション収録され、2000年の秋に発売されたアバド&ベルリン・フィルのベートーヴェン交響曲全集は、20世紀の最後を飾るベートーヴェン全集として世界的に高い評価を獲得しましたが、アバド自身は、第1番から第8番についてはセッション録音だったため、コンサートでの演奏のほうを気に入っていたのだとか。
DVDではすでに発売済みのこのライヴでの全集チクルスは、旧盤の全集収録完了と同じ2000年5月におこなわれた第9番のコンサートでスタートしましたが、ほどなくアバドが病に倒れたため、一時は完成を不安視さえされるものの、幸いにもアバドが復調、2001年の2月に、他の作品をローマのコンサートで一気にとりあげて無事収録したというものです。
今回登場するのは、第1番から第8番については、その映像作品用としての演奏をCD化したというもので、ドイツ・グラモフォンが、ベルリン・フィル及びユーロアーツの許諾を得てリリースに漕ぎ着けました。
CD化にあたっては、ドイツ・グラモフォンの技術によって新たなマスタリングがおこなわれ、DVDの音声トラックを大きく上回る音質を実現しているということです。
なお、第9番については、アバド自身が旧盤の演奏を気に入っているということで、ここでも同じものが使用されています。旧全集をお持ちの方は第九は重複ということになってしまいますが、これがアバドの考えるベストの全集だということです。
・交響曲第1番ハ長調 op.21
・交響曲第2番ニ長調 op.36
・交響曲第3番変ホ長調 op.55『英雄』
・交響曲第4番変ロ長調 op.60
・交響曲第5番ハ短調 op.67『運命』
・交響曲第6番ヘ長調 op.68『田園』
・交響曲第7番イ長調 op.92
・交響曲第8番ヘ長調 op.93
以上、2001年2月、ローマ、サンタ・チェチーリア音楽院
・交響曲第9番ニ短調 op.125『合唱』
カリタ・マッティラ(ソプラノ)
ヴィオレッタ・ウルマーナ(メゾ・ソプラノ)
トーマス・モーザー(テノール)
トーマス・クヴァストホフ(バス)
スウェーデン放送合唱団
エリク・エリクソン室内合唱団
2000年5月、ベルリン、フィルハーモニー
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
クラウディオ・アバド(指揮)
アバドのベートーヴェン交響曲全集はベルリン・フィル2種、ウイーン・フィル1種所有していますが、この全集が気に入っています。
流石にベルリン・フィルの見事な演奏には脱帽してします。
アバドの遺産の全集と思うと、やはりこの演奏になります。
もっと長生きして欲しかった指揮者です。