ゴールデン・ウィーク前の4月28日、夏のような暑い日になりました。
手賀沼・沼南(しょうなん)の田圃(たんぼ)にアカガシラサギが歩いていました。
全身は草に隠れて見えませんが、夏羽のアカガシラサギで、赤褐色の頭と胸が見え隠れしています。
アカガシラサギは、1970年以前には、我が国に稀(まれ)にしか飛来しない迷鳥(めいちょう)だったようですが、最近は、葛西臨海公園や手賀沼周辺にも、旅鳥(たびどり)として時々、飛来するようになりました。
このアカガシラサギも、つい最近ここに飛来したようです。
アカガシラサギは、本来、中国中東部で繁殖し、越冬期には東南アジアに南下するといわれています。
また、香港と中国の華南地方では、一年中生息しているそうです。
田んぼのアゼ道を歩くアカガシラサギは、横に少しづつ動くのですが、草に隠れて移動するので、なかなか全身をみせてくれません。
ところが、アゼ道に人が近づいたので、それに気づいたアカガシラサギは、突然、飛び立ちました。
飛び立つ姿は、白い羽が朝日に輝いて、とても綺麗です。
アカガシラサギは、隣の田圃に少し飛んで、今度は、あぜ道に全身を見せて佇(たたず)んでいます。
夏羽の赤褐色の頭部と胸、黒い背中、白い胴体のコントラストがとても見事なアカガシラサギです。
すこし、ここで休んでいましたが、アカガシラサギは、このあぜ道の下の水路に降りてエサを探そうとし始めました。
どんどん水路に降りていきます。
ついに身体全体が水路に入ってしまいました。
アカガシラサギは、こちらに背を向けて歩いて水路の先に姿を消しました。
「春浅き 水を渡るや 鷺(さぎ)一つ」 (河東碧梧桐)