なかなかなかね野鳥と自然の写真館

疾風怒涛の時代が過ぎ去っていきます。私たちがその中で、ふと佇む時、一時の静寂と映像が欲しくなります。微妙な四季の移ろいが、春や秋の渡りの鳥たちや、路傍の名もない草花にも感じられます。このブログは、野鳥や蝶、花や野草、四季の風景などの写真を掲載しています。

ヨシ原を低空飛行して移動するサンカノゴイ

5月23日は、朝から、五月晴れの上天気、印旛沼のヨシ原では、オオヨシキリの「かしましい」鳴き声の他にボォーと低いウシガエルの声が聞こえています。

ウシガエルよりさらに低いボォーという声も時々聞こえます。

そうです。サンカノゴイの鳴き声です。

サンカノゴイは、このヨシ原の中にいるのですが、背丈の高いヨシの中で動いているので、姿はなかなか見れません。

でも、そのヨシ原から「茶色の鳥」が飛び出しました。

そう、鳴き声の主「サンカノゴイ」です。

このサンカノゴイは、ヨシ原をかすめて僅(わず)かに飛んで、すぐにヨシ原に姿を消しました。

一瞬の出来事でした。


この飛んでいるサンカノゴイは、目の前に青い婚姻色が見えるオスのサンカノゴイのようです。


さて、山階鳥類研究所に収蔵されている「サンカノゴイ(♀)標本」の採集地は、「手賀沼」でその採集日は1883年 11月 13日とのデータを「ネット検索」で見つけました。

132年前、「手賀沼にサンカノゴイがいた証拠」があるとは、信じられませんでした。

また、別の「ネット検索」で、我孫子の「手賀沼を誇れる町づくり計画」(1997年)の水質改善の第3段階に「サンカノゴイやマガン・ヒシクイのいた昭和30年代中頃の水質」の記事も見つけました。昭和30年は、1955年なので、その中頃というのは、1960年ころにサンカノゴイは、手賀沼にいたと解釈できますね。

手賀沼は年々、水質が浄化され、私見ですが、第一段階のミコアイサのいる水質はすでに達成され、第2段階のヨシゴイやカンムリカイツブリのいる水質も達成されているように見受けられます。(これらの鳥はこのブログでも掲載しましたように手賀沼で、すでに撮影されています)

第3段階の「サンカノゴイやマガン、ヒシクイのいる水質」は、達成できそうな気もします。

でも、サンカノゴイは、手賀沼に住み着いてくれるのでしょうか?

もちろん水質だけではなく「彼らの生息できる環境の保全」が必要なので、第3段階は、今までよりは高いハードルかもしれませんね。

それでも、絶滅危惧IB類(EN)(環境省レッドリスト)の希少種サンカノゴイやマガン(準絶滅危惧)、ヒシクイ(絶滅危惧II類)が手賀沼で見れれば、とても嬉しいことですね。



「去ぬる雁 いつしともなく 五位の声」(河東 碧悟桐)
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