寒空の下、水田を横切る水路を小鳥が見え隠れしています。
あたりの茶色と同化して見えにくいのですが、羽に白い色がチラリと見えます。
ジョウビタキのメスです。
ジョウビタキは10月頃に渡来し、河原や公園、農耕地、市街地など開けた土地を好んで住みます。
私の家の付近でも、時々、目にすることができる身近な野鳥です。
単独で生活することが多く、それぞれ「縄張り」を持ちます。
その際、「カッカッ」、「キッキッ」と甲高い鳴き声で「縄張り」を主張しますが、これが火を焚く際の火打ち石をたたく音に似ていることから、火焚き(ヒタキ)の名が付いたといわれています。
オスは、頭が銀色で顔と翼が黒色、腹部がオレンジ色と鮮やかなのに比べ、メスは保護色の傾向が強く地味ですが目元がくっきりとしてとても可愛いです。
また、オス、メスともに翼に白い斑点があり、これを着物の紋に見たてて「紋つき鳥」と呼ぶ地方もあります。
このジョウビタキは、この水路を飛び回りながら餌を探しているようです。
枯れ枝にとまっても、すぐに動いてしまいます。
忙しそうに駈けずり回っているジョウビタキでした。
「わが庭に 来啼くひたきを 知りそめて
朝朝待つぞ たのしかりける」
(若山牧水)