なかなかなかね野鳥と自然の写真館

疾風怒涛の時代が過ぎ去っていきます。私たちがその中で、ふと佇む時、一時の静寂と映像が欲しくなります。微妙な四季の移ろいが、春や秋の渡りの鳥たちや、路傍の名もない草花にも感じられます。このブログは、野鳥や蝶、花や野草、四季の風景などの写真を掲載しています。

平磯海岸を飛ぶシノリガモの群れ

ひたちなか市にある平磯海岸は、およそ8,000万年前頃の大陸棚斜面において形成されたタービダイトからなる砂岩泥岩互層が土台となっているようです。

また、その海岸は、その後の隆起に伴って緩やかに傾斜し、さらに、礫岩、砂岩、泥岩からなる岩石のうち、軟らかい部分が海食によって選択的に削られ、北へ30〜40度傾斜した白亜系那珂湊層群の岩礁が連続して分布する現在の海岸に至っているそうです。

注:タービダイト乱泥流堆積物)とは、砂や泥が海水と混ざった流れによって海底に降り積もってできたシマシマの地層のことで、水平に堆積した後、回転して立ち上がったので、縦向きの縞模様になっています。

そこには、当時の海に生息していたアンモナイト、モササウルス、ウニ、二枚貝、サメなどの化石も発見されており、特に異常巻アンモナイトの群棲地として有名だそうです。

その美しい海岸のはるか彼方から岩礁の多い荒磯を好み,潜水して貝類などをとって食べるシノリガモの群れが飛んできました。

シノリガモ(晨鴨)は、北太平洋沿岸,アイスランドおよびグリーンランドで繁殖し,冬期にはより南の海上で越冬するそうで、日本には冬鳥として渡来し,北日本の海岸や海上に小群で生息するようです。そのほか、局地的に北日本の山間の渓流で繁殖しているものもいるようです。

シノリガモの英名は、 harlequin duck ハーレクイン・ダックという面白い名前です。ハーレクインは、道化者という意味なのでしょうか?

シノリガモの全長は約43cm、雌雄異色で,雄は青色,栗色,白色の美しい模様がありますが、雌は全身暗褐色でクチバシの基部と眼の後に白斑がある地味なカモです。

シノリガモの群れは波を恐れず、水しぶきをあげ見事に海面に着水しました。

着水したシノリガモは、採餌のためにピョンと跳ねる様にして潜水し始めました。

シノリガモたちは、貝類やウニ、エビ、カニなどを採餌するために何度も潜水を繰り返すので、岩礁の多い場所では、直ぐに波間に隠れてしまいます。


それでも、美しい海岸に美しいシノリガモたち!


とても見ごたえのある岩礁の海岸、それが旧水戸藩の「波浪の景勝地」である平磯海岸です。