なかなかなかね野鳥と自然の写真館

疾風怒涛の時代が過ぎ去っていきます。私たちがその中で、ふと佇む時、一時の静寂と映像が欲しくなります。微妙な四季の移ろいが、春や秋の渡りの鳥たちや、路傍の名もない草花にも感じられます。このブログは、野鳥や蝶、花や野草、四季の風景などの写真を掲載しています。

トビとトンビ

「トビが鷹(たか)を生む」と言いますが、「トンビが鷹を生む」とは言いません。

でも、私は子どもの頃トビのことをトンビと呼んでいましたし、「トンビに油揚げ」とは言いますが,「トビに油揚げ」とはいいませんね。

三橋美智也さんの昔の懐メロでも

”♪夕焼け空が真っ赤か トンビがクルリと輪を描いた♪”と歌っています。

「トビとトンビ」どこがどう違うのでしょうか?


どうも、トンビとトビは同じものですが、隠語でトンビは小泥棒のことだそうです。

また、トビは、粋な鳶職(とびしょく)のことで、土木建築作業などで、足場の組立てをする職人をさしています。この鳥のクチバシが、彼らがいつも使っている「鳶口(とびぐち)」という、長さ二メートルほどの棒の先にある鉄のカギをとりつけた道具に似ていたことによるそうです。

トビという名は、関東でよく使われ、トンビは、関西でよく言われているそうです。

また、トビは、「飛び」からきた名前だという説もあります。

トンビという呼び方には間の抜けたようなユーモラスな感じもしますが、本来は鷹の仲間で、正式名はトビなのです。

たまには、懐かしい「夕焼けトンビ」の歌でも歌ってノンビリしたいものですね。



       夕 焼 け と ん び(昭和33年)

            作詩:矢野 亮  作曲:吉田矢健治

1 夕焼け空が マッカッカ
  とんびがくるりと 輪を描いた
  ホーイのホイ
  そこから東京が 見えるかい
  見えたらここまで 降りてきな
  火傷をせぬうち 早くこヨ
  ホーイホイ


2 上りの列車が ピーポッポ
  とんびもつられて 笛吹いた
  ホーイのホイ
  兄ちゃはどうして いるんだい
  ちょっぴり教えて くんないか
  油揚げ一丁 進上ヨ
  ホーイホイ


3 一番星が チーカチカ
  とんびは意地悪 知らぬ顔
  ホーイのホイ
  祭りにゃ必ず 帰るって
  俺らをだまして 置いてった
  兄ちゃもおまえも ばかっちょヨ
  ホーイのホイ





閑話休題アインシュタインの E=mC2 のもつ「科学の両面性」


アインシュタインの「特殊相対性理論」は、「時空」だけでなく、「エネルギーと質量の関係」も明確にしました。

つまり「質量(重さ)とエネルギーは同じ」と言うものです。

ロケットの速さを光速に近づけると光速(秒速30万キロメートル)というスピードに近づくにつれ質量が増して、スピードが加速されなくなります。つまり、どんなに頑張ってもロケットは、光速より早くは飛べないのです。

光速ロケットは、説明のための例にすぎませんが、陽子を光速近くの速度で飛ばすことはできているようです。

セルンCERN(欧州原子核研究機構)のLHC(大型ハドロン衝突型加速器)で周長27キロメートルのトンネルに強力な加速器超伝導磁石を並べて、陽子をその質量の7000倍程度のエネルギーにまで加速すると、それでも光速の99.999999パーセントにすることはできますが、それ以上頑張っても光速には追いつけないそうです。

ロケットを飛ばす燃料を燃やし続けているのに、加速できないのは、そのエネルギーが消えてしまったのでしょうか?

実は、エネルギーが質量に変わったのでロケットの推進力は落ちてしまったのです。

彼はこれを E=mC2 (C2はCの2乗という意味です)という方程式で説明しました。

Eはエネルギー、mは質量、Cは光の速さ(秒速30万キロメートルというスピード)です。

この数式は、従来の「質量保存の法則」や「エネルギー保存の法則」などと矛盾するのです。
それまで全く別物と思われていた「質量」と「エネルギー」が、密接に絡み合い、お互いに形を変えるものだったのです。


方程式 E=mC2 自体はとても簡単ですが、Cがものすごく大きい値なのでC2は、900億という物凄い数字になります。つまり動いていない物体のエネルギーは巨大なものになるのです。

たとえば、1グラムの質量を熱エネルギーに変えることができれば、なんと20万トンもの水を沸騰させることができるのです。

でも木を燃焼させてもわずかなエネルギーしか得られません。これは、燃焼による質量の欠損がとても極小なことを意味しています。つまり、普通の世界でもこの式は成立しているのです。

1938年にハーン(独)とライトナー(墺)によりウラン核分裂が発見されましたが、分裂した2つの原子核の質量を足しても、元のウランよりも1000分の1ほど軽いことがわかりました。実は、この欠けた質量がエネルギーに変化したことがわかり、これによりアインシュタインの理論は、現実のものとして確認されたのです。

また、フェルミ(伊)がウラン核分裂の連鎖反応を見つけたことにより、原子力の利用が実用化されました。

今日、私たちはウラン核分裂によるエネルギーを、原子力発電で利用しています。まさに1905年にアインシュタインが考え出した E=mC2の式から、20世紀の原子力の時代が始まったのです。

でも、ご存じのようにこの式は原子爆弾にも利用され、我が国に投下されるという悲惨な部分も持っています。

私たちは、現代の科学が持つ両面性をしっかりみつめていく姿勢が必要なのではないでしょうか?