2月26日の朝は、運動会でよく流れていた明るく華やかな行進曲「双頭の鷲の旗の下に (そうとうのわしのはたのもとに)」が聞こえて来るような上天気です。
「双頭の鷲の旗の下に」(独:Unter dem Doppeladler,英:Under the Double Eagle)は、ヨーゼフ・フランツ・ワーグナーが1880年代に作曲した曲で、日本では運動会などの行進曲としてよく用いられます。
この曲は、明快かつリズミカルな曲調でワーグナーが当時オーストリア・ハンガリー帝国の軍楽隊長であった時期に作曲したものであり、曲名にある「双頭の鷲」は同国のシンボルだそうです。
さて、前置きはこれくらいにして、午前9時半ころ涸沼上空をオオワシが旋回しています。
オオワシは、蒼天(そうてん)を飛びぬけるほど、高く、高く、大きな羽を広げ悠然(ゆうぜん)と王者の風格を保ちながら飛び続けています。
まさに諺(ことわざ)「上見ぬ鷲(わし)」どおりの姿です。
この諺は、鷲のように何者も恐れる必要がなく、思うままに振る舞う様子の例(たと)えです。
鷲は強い猛禽なので、眼下にいる獲物をねらうだけで、上空からの攻撃を警戒する必要がありません。
最も高い地位にある者が勝手気ままな振る舞いすることを、暗に批判するときに「彼は上見ぬ鷲(わし)ですからね!」などと用いられることが多いようです。
「又はよも 羽をならぶる 鳥もあらじ
上見ぬ鷲の 空の通ひぢ」 ( 夫木和歌抄 藤原信実)
意訳:よもや、羽をならべて飛ぶ鳥が、あろうはずはありません。一番強い鷲の通る空の道ですもの
オオワシは、何度も旋回して頑張っていましたが、獲物が見つけられないようで太陽の彼方に飛んでいってしまいました。
太陽の光線がまぶしくて大鷲がどちらの方向に飛び去ったのか判りませんでした。
そのうち、姿を現すのでは?と期待して待ちましたが、どこに消えたかオオワシは現れませんでした。
やむなく昼食後までその場で待ちましたが、現れないので涸沼を退散しました。
一回だけですが、今日は、「涸沼のオオワシの華麗な舞姿」を見ることができました。