鹿島灘に面した平磯海岸の岩場で休んでいたウミアイサのオスが荒海に出て行こうとしています。
パンク頭のウミアイサは、全長59cm(オス)、52cm(メス)の冬鳥で、派手な色をして、ウのような細いクチバシをもっていますが、カモの仲間です。
アイサは、奈良・平安時代にはアサキとか秋沙鴨などと言っていたようです。
アイサ類は、全て嘴が細く、その先端はカギの形に曲がり、その縁には鋸歯(きょし)と呼ばれるのこぎりの歯のようなギザギザが口元の方に向いています。
この海で越冬しているウミアイサも、鋸歯によって、いったん捕えた獲物をしっかりと押さえつけることができる筈です。
魚のハンターのウミアイサは波などには、ものともしないでで、どんどん荒波に向かっていきます。
オスのウミアイサは元気いっぱいで漁場に急いでいました。
「冬いまに 居つく秋沙鴨(あきさ)が
波切りの 汭渚(うちす)の潟に 数寄る見れば」
北原白秋 「夢殿」