なかなかなかね野鳥と自然の写真館

疾風怒涛の時代が過ぎ去っていきます。私たちがその中で、ふと佇む時、一時の静寂と映像が欲しくなります。微妙な四季の移ろいが、春や秋の渡りの鳥たちや、路傍の名もない草花にも感じられます。このブログは、野鳥や蝶、花や野草、四季の風景などの写真を掲載しています。

荒海に出てゆくウミアイサ

鹿島灘に面した平磯海岸の岩場で休んでいたウミアイサのオスが荒海に出て行こうとしています。

パンク頭のウミアイサは、全長59cm(オス)、52cm(メス)の冬鳥で、派手な色をして、ウのような細いクチバシをもっていますが、カモの仲間です。

アイサは、奈良・平安時代にはアサキとか秋沙鴨などと言っていたようです。

アイサ類は、全て嘴が細く、その先端はカギの形に曲がり、その縁には鋸歯(きょし)と呼ばれるのこぎりの歯のようなギザギザが口元の方に向いています。

この海で越冬しているウミアイサも、鋸歯によって、いったん捕えた獲物をしっかりと押さえつけることができる筈です。

魚のハンターのウミアイサは波などには、ものともしないでで、どんどん荒波に向かっていきます。

オスのウミアイサは元気いっぱいで漁場に急いでいました。



「冬いまに 居つく秋沙鴨(あきさ)が 

   波切りの 汭渚(うちす)の潟に 数寄る見れば」

              北原白秋 「夢殿」