なかなかなかね野鳥と自然の写真館

疾風怒涛の時代が過ぎ去っていきます。私たちがその中で、ふと佇む時、一時の静寂と映像が欲しくなります。微妙な四季の移ろいが、春や秋の渡りの鳥たちや、路傍の名もない草花にも感じられます。このブログは、野鳥や蝶、花や野草、四季の風景などの写真を掲載しています。

君が浜海岸の林のハゼノキの実を食べるメジロたち

千葉県銚子市にある君ケ浜は、犬吠埼に隣接した約1キロの海岸線で、白砂青松(はくしゃせいしょう)と豪快な太平洋が眺望(ちょうぼう)できる地であり、犬吠埼君ケ浜海岸(いぬぼうざききみがはまかいがん)は、平成8年7月、「日本の渚・百選(なぎさひゃくせん)」に選ばれるほどの風光明媚(ふうこうめいび)な海岸です。

その公園の中には、たくさんハゼノキがたわわに実をつけて小鳥たちを待っています。

今日も5〜6羽のメジロの群れがハゼノキにやってきました。

ハゼノキは、秋に直径5-15mmほどの扁平な球形の果実が熟すそうで、果実の表面は光沢があり無毛。未熟果実は緑色であり、熟すと淡褐色になります。

中果皮は粗い繊維質で、その間に高融点の脂肪を含んだ顆粒が充満しているそうです。

冬になると、キツツキ類ツグミメジロなどの鳥類が高カロリーの餌として好んで摂取し、種子散布に寄与するようです。核は飴色で強い光沢があり、俗に「きつねの小判」、若しくは「ねずみの小判」と呼ばれるとのことです。


さて、ハゼノキの実の上の枝にとまったメジロは、目の前のご馳走(ちそう)の実をクチバシでつまんで上を向いて飲み込みました。

たくさん熟れている実のどれを食べようかと思案しながら次の実をクチバシにくわえましたが、勢い余って落っことしてしまいました。

今度は、実の束の上に身体を移し落っことさないような体勢で実を食べ始めました。

食べ終わると枝の上に飛び上がり、舌が見えるほど大きく口をあけて何かを叫んでいます。

仲間のメジロがこの枝にやってきました。

あの叫びは、このメジロを呼び寄せるためだったようです。

メジロたちは、仲良くこの枝でハゼノキの実を食べ始めました。

暖かい春の日差しが鳥たちを包み込んでいるようです。

遠くに潮騒しおさい)が聞こえてくるような君ヶ浜海岸の林の中はゆったりとした午後の時間が流れてゆきました。


「南天の 実をこぼしたる 目白かな」  (正岡子規