なかなかなかね野鳥と自然の写真館

疾風怒涛の時代が過ぎ去っていきます。私たちがその中で、ふと佇む時、一時の静寂と映像が欲しくなります。微妙な四季の移ろいが、春や秋の渡りの鳥たちや、路傍の名もない草花にも感じられます。このブログは、野鳥や蝶、花や野草、四季の風景などの写真を掲載しています。

秋と栗

秋の柔らかい日差しを浴びながら、茶色の栗の実がイガからのぞいています。「路傍の秋」がここにありました。「いよいよ秋だ!」と確信しました。寺田寅彦(てらだとらひこ)の俳句に

「栗(くり) 一粒 秋 三界(さんがい)を蔵(ぞう)しけり」 

という栗の名歌があります。この句は、「栗は秋そのものだ」と解釈されてきたのですが、原作では、栗では、なくて、粟(あわ)が本当とのことです。でも、この写真のように、栗(くり)のほうがインパクトが強いので栗のままの句として掲載します。
栗は、秋の味覚として、縄文の時代から、現在にいたるまで人々に愛されてきた季節感あふれる果実です。童話の「サルカニ合戦」にも登場しています。まだ、残暑が厳しいですが、秋は確実に里に降りてきています。