なかなかなかね野鳥と自然の写真館

疾風怒涛の時代が過ぎ去っていきます。私たちがその中で、ふと佇む時、一時の静寂と映像が欲しくなります。微妙な四季の移ろいが、春や秋の渡りの鳥たちや、路傍の名もない草花にも感じられます。このブログは、野鳥や蝶、花や野草、四季の風景などの写真を掲載しています。

蝸牛角上の争いー(キクイタダキとヒガラの争い)

富士山奥庭の水場でヒガラが、水浴びをしています。そこにキクイタダキが近づきました。ヒガラは、少し飛んでキクイタダキに向かって、「蹴り」を入れました。小さなヒガラと小さなキクイタダキの「水浴びの争い」です。


ふと、中国の思想書「荘子」の寓話に出てくる「蝸牛(かぎゅう)角上(かくじょう)の争い」を思い出しました。


参考「蝸牛(かぎゅう)角上(かくじょう)の争い


「蝸牛(かぎゅう・かたつむり)の左の角(つの)の上に触(しょく)氏が国を建て、右の角の上には蛮(ばん)氏が国を興しました。そして触氏と蛮氏の両国は、数万の死骸を残すほどの戦争を繰り広げました。つまり、ささいな事柄で争うことを、「蝸牛角上の争い(かぎゅうかくじょうのあらそい)」と言います。


日本最小の鳥キクイタダキ、全長10センチ、カラ類(シジュウカラの仲間)最小のヒガラ、全長11センチどちらも小さな鳥たちです。この水場は狭い場所ですが、この小さな鳥たちには、十分な広さをもっています。

いつもは、逃げ回っているキクイタダキも応戦体勢をとりました。ヒガラの「蹴り」は、キクイタダキに到達できなくて、空振りになりました。ヒガラは、キクイタダキの少し前の水場に降りました。ヒガラはバツが悪いのか、キクイタダキに背を向けて歩き出してしまいました。キクイタダキは、逃げないで、そのヒガラに近づきましたが、争わないで、別の場所に移動し、水浴びをしていました。

この小鳥たちも些細な争いをやめたようです。

こんな小さな鳥たちの世界でも争いはあるのですから、私たちの周りにも、つまらない争いは、絶えません。

現代でも荘子の格言は、身に沁みますねぇ〜。