なかなかなかね野鳥と自然の写真館

疾風怒涛の時代が過ぎ去っていきます。私たちがその中で、ふと佇む時、一時の静寂と映像が欲しくなります。微妙な四季の移ろいが、春や秋の渡りの鳥たちや、路傍の名もない草花にも感じられます。このブログは、野鳥や蝶、花や野草、四季の風景などの写真を掲載しています。

手賀沼湖畔のカワセミとチョウトンボ

手賀沼湖畔の「水の館」付近でカワセミをみつけました。カワセミに注目していたら、その近くを、ひらひらと黒っぽい蝶々が飛んでいます。よく見るとトンボです。チョウトンボです。枯れた草の茎にとまりました。

チョウトンボは、中型のトンボで、翅(はね)の幅が広く,先端を除いて全面黒藍色に光り,ひらひらとチョウのように舞うトンボです。

翡翠色(ひすいいろ)のカワセミも群青色(ぐんじょういろ)のチョウトンボも、光の角度によって、金属的に光輝いて、とても綺麗です。

カワセミの羽の色もチョウトンボの翅の色も構造色(structural color)で、光のあたる角度によって神秘的に輝きます。


(注)構造色とは、それ自身には色がついていませんが、その微細な構造によって光が干渉するため、色づいて見え、その特徴は、見る角度に応じて、様々な色彩が見えることです。色素や顔料による発色と異なり、紫外線などにより脱色することがないので、繊維や自動車の塗装など工業的応用研究が進んでいます。自動車や、新幹線の車体のカワセミ・ブルーは、カワセミの羽の研究成果だそうです。


カワセミのいる場所の近くにチョウトンボがいるのは、「類は友を呼ぶ」のでしょうか?。お互い綺麗な水辺が大好きなのでしょうね。

日本産のチョウトンボは、農薬汚染で近年著しく減少したといわれています。

カワセミも昭和45年ころは、都心やその郊外の川や池から姿を消して、「八王子や青梅の奥地まで行かないと見れない。」と言われていましたが、その後、どんどん回復して、今では、市街地の公園のあちこちで見ることができます。

以前よりは、少しづつ「水の汚れ」が改善されてきていますので、そのうち、チョウトンボも、あちこちで見られるようになるかもしれません。


     「よろこびか のぞみか 我にふと來る
          翡翠の羽の かろき羽ばたき。」  
            
              (「翡翠」 片山廣子 )




カワセミ


チョウトンボ