なかなかなかね野鳥と自然の写真館

疾風怒涛の時代が過ぎ去っていきます。私たちがその中で、ふと佇む時、一時の静寂と映像が欲しくなります。微妙な四季の移ろいが、春や秋の渡りの鳥たちや、路傍の名もない草花にも感じられます。このブログは、野鳥や蝶、花や野草、四季の風景などの写真を掲載しています。

小さな幸せを運ぶツバメとスミレ

4月5日は、花冷えの曇り空。朝は雨が降っていてその後はどんよりした曇り空!

それでもツバメは元気に飛んでいます。

ツバメは3月ころ南方から長い旅路を経て日本に飛来し、巣作り、子育てをして秋に帰ります。

ツバメは、日本でも西洋でも「幸せを運ぶ鳥」のようです。

日本では、「ツバメが巣を作る家は繁栄する」と言われていますし、西洋でも春に「幸せの手紙」をクチバシにくわえて運んでくる鳥として、春を告げるスミレとともにブローチやネックレスのデザインやタトゥのデザインにもなっています。

オスカー・ワイルドの名作「幸せな王子」に出てくるツバメなどは、ルビーやサファイアなどの宝石や黄金を貧者に届けてくれます。

また、ツバメは春に必ず帰ってくるため、西洋のフレスコ画の「聖母やキリスト」の絵にもキリストの「復活」を暗示する鳥として重要な位置を占めています。

今はあまり見かけなくなりましたが野辺の路傍(のべのろぼう)にひっそりと咲くスミレの深い紫の花は「ときめく恋」を表す春を代表する可憐な草花です。

この「すみれの花」を見ていると宝塚歌劇団を象徴する歌「すみれの花の咲く頃」の歌を思い出します。

春を告げるスミレの花言葉は「小さな幸せ」だそうです。

ですから、ツバメとスミレはベスト・マッチといえるようです。ツバメは、クチバシに「小さな幸せ」をくわえて運んでくるのです。

ですが「幸せな王子」は、自己犠牲(じこぎせい)の愛の物語です。

今となっては伝説となってしまったハドソンのスゴロクのゲーム「桃鉄ももてつ=桃太郎電鉄」の中に「幸せな王子カード」があり、このカードを引き当てると、それまで持っていた財産がゼロになるので、私はこのカードを引かないように願ったものです。

何かこのカードを引くと不幸せになるような気がしていたのです。

私は凡人なので、なかなか捨てきることが、できませんが、捨聖(すてひじり)と称された一遍上人(いっぺんしょうにん)の「捨ててこそ」の精神こそが万国共通の「人が幸せになる道」なのかもしれません。


「唱(とな)うれば仏も我も無かりけり 
南無阿弥陀仏(なむあみだぶつ)南無阿弥陀仏」 (一遍上人)


たまたま、4月5日にツバメとスミレに会えたので、両方の写真を掲載して、皆様に「小さな幸せ」が来ることを祈念させていただきます。


「山路来て 何やらゆかし すみれ草」    (松尾芭蕉





参考:以前晴天のときに撮影したツバメ


スミレ