なかなかなかね野鳥と自然の写真館

疾風怒涛の時代が過ぎ去っていきます。私たちがその中で、ふと佇む時、一時の静寂と映像が欲しくなります。微妙な四季の移ろいが、春や秋の渡りの鳥たちや、路傍の名もない草花にも感じられます。このブログは、野鳥や蝶、花や野草、四季の風景などの写真を掲載しています。

お彼岸の彼岸花

秋のお彼岸は、上天気になりました。

利根川中流域の堤防の土手を彼岸花が埋めつくしていました。

秋の高い青空の下で、赤い彼岸花たちが、すっくと立って秋の日差しをあびて輝いていました。


「つきぬけて 天上の紺 曼珠沙華(まんじゅしゃげ)」      (山口誓子





喫茶去(きっさこ)ーダンマパダ


お彼岸になったので、「般若心経(はんにゃしんぎょう)」と並ぶ仏教聖典「ダンマパダ(真理のことば)をご紹介させていただきます。

私たちは、仏教は、「お釈迦様本人が言われた教え」と思っているのですが、実は、そうではないようです。

つまり、私たちの仏教は、大乗仏教(だいじょうぶっきょう)であり、お釈迦様が、お亡くなりになってから、数百年後に成立したものであって、お釈迦さんの直接の教えではありません。

たとえば、大乗仏教中観派(だいじょうぶっきょうちゅうがんは)の祖(そ)は、龍樹(りゅうじゅ)という人で、彼は、八宗の祖(はっしゅうのそ)と言われています。

よく知られている「般若心経」や「法華経」なども大乗仏典なので、その中心的思想は「空(くう)の思想で、その大成者は龍樹なのです。

実は、般若心経の成立よりも数百年前の仏典は、原始仏典と呼ばれていて、その中ひとつに「ダンマパダ」があります。

これらの仏典は、お釈迦様の死後百年後くらいに成立していて、お釈迦様の説法を直接聞いた人たちが編集した仏典と考えられているようです。

そのため、お釈迦様、本人の説法に近く、内容がとても分かりやすく難しい言葉はほとんど使われていません。

分かりやすい言葉なのですが、その中身は深く人の心の核心を捉えています。

入手しやすい本に岩波文庫中村元訳「ブッダの 真理のことば 感興のことば」があり、全訳と注釈がついていますのでご覧になれると思います。

注:(「感興のことば」は、ダンマパダではなくウダーナヴァルガです。このウダーナヴァルガにはダンマパダと同じ内容の詩が多く含まれているので、この文庫にはダンマパダと併載されています))

ここでご紹介するダンマパダという仏典は、パーリ語で書かれた有名な原始仏典の一つで、真理の言葉といわれています。

ダンマは、真理とか法と言うような意味で、パダは言葉と言うような意味です。したがってダンマパダは、「真理のことば」と訳されています。

般若心経は、とても難しいので、意味不明のまま暗誦している人も多いのですが、このダンマパダは、東洋の聖書ともいわれ、そのまま読むだけで、お釈迦様の説法が理解できるようになっています。(内容は結して易しくはないのですが・・・)

ダンマパダは、26の章に分類され、全部で423の短い詩でできています。般若心経とは異なり、最も少ない章は10の詩からできており、最も多い章は41の詩でできています。

詩でできているので、漢訳して、「法句経(ほっくぎょう)」と言われています。

日本にも古来より伝来していましたが、大乗仏典でないため重要視されていませんでした。

でも、この原始仏典は、南伝仏教では、いまでも重要な仏典であり、仏教遺跡の発掘調査などにより西洋に伝わり、専門家による研究が進んだため、明治以降に日本でも重要視されているようになりました。

その後、昭和9年に、NHKラジオで友松円諦 ともまつえんたい)が、「法句経」を講義し大反響をよんだそうです。現在も「法句経講義」(講談社学術文庫)があるので、その 内容を今でも勉強することができます。

このダンマパダは、普通に生活する上で、とても大切な教えも、たくさんあるので、宗派を超えた、お釈迦様の教えを知ることができます。

私も岩波文庫の「ダンマパダ」を座右において、時々、読んでいます。
凡人なので、とても徹底した行動は、できませんが、少しでも近づけるよう心がけています。

その最初の詩を、サンプルとして、以下に記載します。

1、ものごとは心にもとづき、心を主とし、心によってつくり出される。もし汚れた心で話したり行ったりするならば、苦しみはその人につき従う。ー車をひく(牛)の足跡に車輪がついて行くように。

お彼岸にあたりちょっとご紹介してみました。