「瑠璃(るり)鳥の 夢呼び過ぎし 森かげや
しめり覚ゆる しろがねの笛」 (尾上柴舟)
笹薮から「幸せの青い鳥」コルリがヒョッコリ出てきました。
コルリもコマドリと同じように都市部では、めったに見ることのできない野鳥のひとつです。
私も都市部で見かけたことは一度もありません。
コルリのオスはオオルリのオスよりよりも青色と白色のコントラストが美しいし、オオルリが木の上にいるので比較的容易に見つけられるのに比べ、コルリは、笹薮などを好むため、なかなかお目にかかれません。
幸せが簡単に得られないようにコルリも、めったに会えない鳥なのです。
かって、同じ青い鳥のオオルリはヒタキ科で、コルリはコマドリと同じツグミ科の鳥で別の科でしたし、現行の日本鳥類目録改訂第7版でもコルリとコマドリは、ヒタキ科ノゴマ属で同じ属に分類されています。(ちなみに同じ青い鳥のオオルリはヒタキ科オオルリ属で違う属です)
コルリのさえずりは「チチチ」という前奏の後に「カラカラカラ」と軽やかに鳴きます。この「カラカラカラ」はコマドリにとてもよく似ています。
全長も14cmでコマドリとほぼ同じで細い足も同じですが、体つきはコルリのほうがスマートです。
甲斐路の山道を登るにつれて、最初、コルリの囀りが聞こえ、そのうちコマドリの囀りと混合し始め、さらに上に行くとコマドリの囀りだけになるようで、コルリとコマドリは、この森を上手く住み分けているようです。このあたりでは、コルリはコマドリと一緒に生息しているので、この倒木にコマドリのいないときに、こっそりコルリも顔を出します。
コルリの素敵な青い色は、「幸せの青い鳥」に一番ふさわしいように思います。
コマドリに会えると嬉しいのですが、コルリに出会えるともっと嬉しく感じます。