なかなかなかね野鳥と自然の写真館

疾風怒涛の時代が過ぎ去っていきます。私たちがその中で、ふと佇む時、一時の静寂と映像が欲しくなります。微妙な四季の移ろいが、春や秋の渡りの鳥たちや、路傍の名もない草花にも感じられます。このブログは、野鳥や蝶、花や野草、四季の風景などの写真を掲載しています。

笹薮から這い出るコルリ

「瑠璃(るり)鳥の 夢呼び過ぎし 森かげや

          しめり覚ゆる しろがねの笛」 (尾上柴舟)


笹薮から「幸せの青い鳥」コルリがヒョッコリ出てきました。

コルリコマドリと同じように都市部では、めったに見ることのできない野鳥のひとつです。

私も都市部で見かけたことは一度もありません。

コルリのオスはオオルリのオスよりよりも青色と白色のコントラストが美しいし、オオルリが木の上にいるので比較的容易に見つけられるのに比べ、コルリは、笹薮などを好むため、なかなかお目にかかれません。

幸せが簡単に得られないようにコルリも、めったに会えない鳥なのです。

かって、同じ青い鳥のオオルリはヒタキ科で、コルリコマドリと同じツグミ科の鳥で別の科でしたし、現行の日本鳥類目録改訂第7版でもコルリコマドリは、ヒタキ科ノゴマ属で同じ属に分類されています。(ちなみに同じ青い鳥のオオルリはヒタキ科オオルリ属で違う属です)

コルリのさえずりは「チチチ」という前奏の後に「カラカラカラ」と軽やかに鳴きます。この「カラカラカラ」はコマドリにとてもよく似ています。

全長も14cmでコマドリとほぼ同じで細い足も同じですが、体つきはコルリのほうがスマートです。

甲斐路の山道を登るにつれて、最初、コルリの囀りが聞こえ、そのうちコマドリの囀りと混合し始め、さらに上に行くとコマドリの囀りだけになるようで、コルリコマドリは、この森を上手く住み分けているようです。このあたりでは、コルリコマドリと一緒に生息しているので、この倒木にコマドリのいないときに、こっそりコルリも顔を出します。

コルリの素敵な青い色は、「幸せの青い鳥」に一番ふさわしいように思います。

コマドリに会えると嬉しいのですが、コルリに出会えるともっと嬉しく感じます。