近所の畑にひまわりの花が咲いていました。
ひまわりは、夏の花の代表と言えますね。
ひまわりの歴史は古代インカ帝国から始まるそうです。
古代インカ帝国ではひまわりは太陽の花と尊ばれ、石造りの神殿にはひまわりの花が彫られ、司祭や太陽神につかえる聖女たちは、金細工のひまわりを身につけていたそうです。
16世紀にコロンブスがアメリカ大陸を発見した後、1564〜71年の間にスペインの医師ニコラス・モナルデスがひまわりをスペイン王立植物園に持ち込み、ヨーロッパ中に広まったとのことです。
フランスのルイ14世は「太陽王」の名前の通り太陽の花ひまわりを好み、自分の紋章にしましたし、ベルサイユ宮殿の正門には今でもひまわりが植えられているそうです。
ひまわりはサンフラワーといわれますが日本では中国の「向日葵」を意訳した名称で親しまれています。
畑にひまわりの花が咲いているの見ると、もう夏はすぐそこのように感じてしまいます!
ここで、ひまわりの種の謎を解いて梅雨の蒸し暑さを忘れてみましょう。
フィボナッチ数列とひまわり
種がびっしり詰まっているヒマワリの花の種(真ん中の部分)が中心から外に向かってらせん状に並んでおり、どのヒマワリでも配列は、①左回りに21列、右回りに34列②左回りに34列、右回りに55列、③左回りに55列、右回りに89列のどれかの組み合わせになるそうです。
ヒマワリはいちいち種の数を計算して並べているのでしょうか?
この秘密の鍵を握っているのがフィボナッチ数列です。
ヒマワリの新しい種は、中心から外側に押しながら生まれます。そしてフィボナビッチ数に従う事(前の2つの数に等しい)で種は真ん中だけがびっしりなっていたり、外側だけがはげた状態にもならず、平均的に隙間なく、ヒマワリの顔の部分の面積に最大限詰められているのです。
解説:フィボナッチ数列>
次の数列はどのような規則にしたがって数がならんでいるでしょう。
1,1,2,3,5,8,13,21,34,55,89,144,233,・・・・・・
はじめの2つの1を除いたこの数列のそれぞれの数は,その1 つ前の数と2 つ前の数との和になっています。 2=1+1,3=1+2,5=2+3,8=3+5,・・・・・・
このような数列をフィボナッチ数列といいます。
一般的に、フィボナッチ数列とは漸化式:a n =a n−1 +a n−2 an=an−1+an−2
で表される数列のことを言います。多くの場合は初期条件として a 1 =a 2 =1 a1=a2=1
の場合を考えます。
この自然界の不思議な法則は、ヒマワリ以外にも、 植物の枝、葉、花の生え方やカタツムリの巻き方、更には台風の渦の形など自然界に沢山隠れていて謎の数であるフィボナッチ数列によっているとのことです。
フィボナッチ数の歴史はとても古く、12世紀から13世紀にかけてイタリアで活躍した数学者レオナルド・フィボナッチが発見したということでこの名前が使われました。
フィボナッチ数を用いて、ヒマワリの種の配列のように、ある面積を最大限に活用することができるそうです。
また、フィボナッチ数によって表現される自然の美しい形は、CGなどの芸術の世界でも見ることができるようです。
なぜ、自然界はフィボナッチ数列に満ち溢れているのか、フィボナッチ数列は神の数列なのでしょうか?
そもそも原子のエネルギー準位がフィボナッチ数なのだそうで、原子でできているこの世の物質にはフィボナッチ数が含まれているのが当然なのかもしれません。
人は本能的にフィボナッチ数列や比率(黄金比)に安定や美しさを見出します。
有名なレオナルドダヴィンチのウィトルウィウス的人体図にも、さまざまな幾何学図形が隠されてをりフィボナッチ螺旋を重ねたものだそうです。
「向日葵(ひまわり)は 金の油を 身にあびて
ゆらりと高し 日のちひささよ」
(前田夕暮)
(意訳)
向日葵は、金の油を身に浴びたように輝いて、
ゆらりと高く立っています。背後に見える太陽のなんと小さいことでしょうか。