なかなかなかね野鳥と自然の写真館

疾風怒涛の時代が過ぎ去っていきます。私たちがその中で、ふと佇む時、一時の静寂と映像が欲しくなります。微妙な四季の移ろいが、春や秋の渡りの鳥たちや、路傍の名もない草花にも感じられます。このブログは、野鳥や蝶、花や野草、四季の風景などの写真を掲載しています。

稲雀(いなすずめ)

秋の朝、淡い光につつまれた電線にスズメが楽しげに遊んでいます。この電線の下は。まだ、これから収穫する黄色の波の稲穂の海が広がっています。スズメにとって豊穣の海です。この時期、雀は、一番嬉しい時なのかもしれません。嬉しそうに電線から少し飛んですぐに仲間の近くにもどります。時々、じゃれあったりしています。
秋の一日の始まりです。

「稲雀(いなすずめ) 茶の木畠(ちゃのきばたけ)や 迷処(にげどころ)」  松尾芭蕉








閑話休題  ー 空海(くうかい)著「秘蔵宝鑰」(「ひぞうほうやく」)

秋の夜長のこの時期、昔の人の書いた名文を読んでみたくなります。今日は、弘法大師 空海(こうぼうだいし くうかい)の名文を読んでみました。

空海コレクション」(宮坂宥勝監修・筑摩書房)より引用してみます。
(XX字は漢字の活字があるのですが表記できないので漢字があることを示しました。)

序詩

悠々(ゆうゆう)たり悠々たり太(はなは)だ悠々たり
内外のXX(けんしょう) 千万(せんまん)の軸(じく)あり

杳杳(ようよう)たり杳杳たり 甚だ(はなはだ)杳杳たり
道をいい道をいうに百種(ひゃくしゅ)の道あり
書(しょ)死(た)え諷(ふう)死(た)えなましかば本何(いかん)がなさん
知らじ知らじ吾(われ)も知らじ・・・欠文・・・
思い思い思うとも聖(せい)も心(し)ることなけん

牛頭(ぎゅうとう) 草を甞(な)めて病者(びょうしゃ)を悲しみ
XX(だんし)車を機(あやつ)って迷方(めいほう)を愍(あわれ)む
三界(さんがい)の狂人(きょうじん)は狂(きょう)せることを知らず
 
四生(しせい)の盲者(むうじゃ)は盲(もう)なることを識(さと)らず
生まれ生まれ生まれ生まれて生(せい)の始めに暗く
死に死に死に死んで死の終りに冥(くら)し・・・


まだ、文は続くのですが、長くなるのでこのくらいにしておきます。
空海さんの文章は、雄大で格調が高いので、時々、口に出して読んでみます。
読んでみると雄大な気分になりますよ。