なかなかなかね野鳥と自然の写真館

疾風怒涛の時代が過ぎ去っていきます。私たちがその中で、ふと佇む時、一時の静寂と映像が欲しくなります。微妙な四季の移ろいが、春や秋の渡りの鳥たちや、路傍の名もない草花にも感じられます。このブログは、野鳥や蝶、花や野草、四季の風景などの写真を掲載しています。

恋の季節ー魚をプレゼントするカワセミ♂

カワセミのメスが飛んできて、枝にとまって、キョロキョロしています。その下の枝に魚をくわえたカワセミのオスが飛んできました。オスのカワセミは、下の枝からメスのいる枝に飛び移りました。

メスのカワセミは、つばさを下げて細かくふるわせながら、大きく口を開けました。まるで 「ひな」が餌(えさ)をねだるような仕草(しぐさ)です。オスのカワセミは先ほど捕ったばかりの魚をプレゼントしました。メスがのみ込みやすいやすいように、魚の尻尾(しっぽ)をくわえていました。とても小さな魚でしたが、メスのカワセミは、それでも、うれしそうに、羽をふるわせて、その魚を受け取りました。カップルの成立です。良かった、良かった。



閑話休題オー・ヘンリーの短編小説「賢者の贈り物」

このカワセミの魚のプレゼントのやりとりを見ていたら、アメリカの作家、オー・ヘンリーの短編小説「賢者の贈り物」(原題「The Gift of the Magi」)を思い出しました。

有名な、この物語は、

「貧しい夫婦が、クリスマスのプレゼントを買おうととしますが、2人には、お金がありません。妻は自慢の美しい髪の毛を切って、美容院へ売ります。自分の髪の毛を売ったお金で、夫の金時計のくさりを買います。
夫は親から譲り受けた金時計を質屋に入れて、そのお金で妻が欲しがっていたべっこうのクシを買います。」

というクリスマスイブのお話です。

この話を思い出したのは、「このオスのカワセミが、小さなお魚をプレゼントしたのに、メスのカワセミが、プレゼントの喜びを全身で表現した姿に感動したから」でしょうか?

このカワセミのペアは、つつましい結婚生活に入り、小さなヒナたちをつれて、この池に飛んでくることでしょう。