なかなかなかね野鳥と自然の写真館

疾風怒涛の時代が過ぎ去っていきます。私たちがその中で、ふと佇む時、一時の静寂と映像が欲しくなります。微妙な四季の移ろいが、春や秋の渡りの鳥たちや、路傍の名もない草花にも感じられます。このブログは、野鳥や蝶、花や野草、四季の風景などの写真を掲載しています。

睡蓮(すいれん)の花

手賀沼遊歩道の睡蓮の花です。今年も綺麗に咲いています。ドイツの詩人、ハイネは、「睡蓮の花」を恋の歌に仕上げました。この詩は、シューマンの歌曲集「ミルテの花」の「Die Lotusblume 」として歌われる、有名な恋の歌です。

 「Die Lotusblume」 詩: ハインリッヒ・ハイネ (Heinrich Heine)

Die Lotosblume ängstigt
Sich vor der Sonne Pracht,
Und mit gesenktem Haupte
Erwartet sie träumend die Nacht.

Der Mond, der ist ihr Buhle,
Er weckt sie mit seinem Licht,
Und ihm entschleiert sie freundlich
Ihr frommes Blumengesicht.

Sie blüht und glüht und leuchtet,
Und starret stumm in die Höh;
Sie duftet und weinet und zittert
Vor Liebe und Liebesweh.


 蓮の花 (「ハイネ詩集」より (井上 正蔵 訳))

 蓮の花こころおびえつ
 日の光あまりにも煌(きら)びやかにて
 蓮の花 首を項垂(うなだ)れて
 夢みつつ夜を待つ
 
 月こそは蓮の恋人なり
 さし照りて蓮を覚ませば
 親しげに ほのぼのと
 花は仰ぐ 月陰に その顔を

 花開き 焔めき 輝き
 うち黙し 高処に見入り
 薫りつつ 忍び泣き 打ち震える
 恋心は愁いと成り果てて



私は、ハイネのような詩人の想像力は、とても無いので、昼の睡蓮から、このような詩情を感じる詩人の素晴らしい構想力に驚くばかりです。