なかなかなかね野鳥と自然の写真館

疾風怒涛の時代が過ぎ去っていきます。私たちがその中で、ふと佇む時、一時の静寂と映像が欲しくなります。微妙な四季の移ろいが、春や秋の渡りの鳥たちや、路傍の名もない草花にも感じられます。このブログは、野鳥や蝶、花や野草、四季の風景などの写真を掲載しています。

名残のアサガオ

たくさん咲いていた我が家の朝顔も咲く花の数がだんだん少なくなってきました。
今日はこの花一つだけ咲いていました。
たった一つになるといっそう紫の花が印象的でとても美しく感じました。
子供たちの夏休みも終わり,もはや夏の名残(なごり)の朝顔なのでしょうか?



「去年(こぞ)の蔓(つる)に 蕣(あさがお)かかる 垣根かな」    (山口素堂)
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閑話休題ー「魔弾の射手序曲」カラヤンクライバーアーノンクール


だんだん涼しくなって秋めいてきました。

今日は、「秋の夜半」の曲を聴きたくなったのでウェーバー作曲の「魔弾の射手」序曲の入っているカラヤン指揮ベルリンフィル演奏のCD「ウェーバー序曲集」を聴いてみました。

(注)佐々木信綱作詞の「秋の夜半」は、「魔弾の射手」序曲の旋律を使用しています。


         歌詞 「秋の夜半」


      秋の夜半(よわ)の み空澄みて
      月のひかり 清く白く
      雁(かり)の群の 近く来るよ
      一つ二つ 五つ七つ

      家をはなれ 国を出でて
      ひとり遠く 学ぶわが身
      親を思う 思いしげし
      雁の声に 月の影に



また、CD「ウェーバー序曲集」カラヤン指揮ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
収録曲は、以下の通りです。



01舞踏への勧誘op.65
02「オイリアンテ」序曲
03「オベロン」序曲
04「アブ・ハッサン」序曲
05「魔弾の射手」序曲
06序曲「精霊の王」
07「ペーター・シュモル」序曲



どの曲もカラヤンベルリンフィルの華やかで映画音楽のような演奏で、とても美しく仕上がっています。

ただ、「魔弾の射手」序曲は、聴いているうちにどうしてもカルロス・クライバーの指揮のDVD映像を思い出してしまいます。

カラヤン、ベルルンフィルの演奏とクライバー指揮シュトゥットガルト放送交響楽団のリハーサルおよび本番の演奏を比較してみると

オケはベルリンフィルの方が緻密で美しくてのすばらしいのですが後半の盛り上がるドラマチックで爆発的な凄さは、クライバーの演奏が素晴らしいように思います。

また、クライバー指揮のドレスデン国立管弦楽団演奏のCD「魔弾の射手」(全曲)の中の「魔弾の射手序曲」の演奏は、カラヤン演奏とクライバー指揮シュトゥットガルト放送交響楽団の演奏の中間の演奏ですが、ドラマチックで感情もうまく制御されていて爆発性もあり暗から明への転換が素晴らしくテンポもよくて、まさに歌うように流れていきます。

つまりオケのうまさは、ベルリン、ドレスデンシュトゥットガルトとなりますが、情熱的でドラマチックでエネルギッシュで爆発的な凄さはシュトゥットガルトドレスデン、ベルリンの演奏のように感じました。

この3つの中での総合点では、完成度の高いドレスデンの「魔弾の射手」(全曲)がドラマチックで感動的で美しい演奏で優れているように思いました。

情熱的な若々しいクライバー盤、感情を制御した仕上がりの美しいカラヤン盤のどちらも素晴らしい演奏です。

劇的で感動的な快演はクライバーで、映画音楽のように美しくて華麗な演奏はカラヤンなのでしょうね。

CDを聴いていたら、他のDVDの映像も見たくなりアーノンクール指揮チューリヒ歌劇場管弦楽団「魔弾の射手」(全曲)のDVDを見てみましたが、このDVDは、演奏も映像もあまり感動しませんでした。序曲の演奏もとても地味で私には魅力がないように聞こえました。

「秋の夜半」の旋律を聴きたくていろいろ聴いてみましたが、「秋の夜半」の部分の演奏のおすすめは、カラヤン盤の演奏です。この演奏はスマートな演奏なので、佐々木信綱の書いた「秋の夜半」の歌詞を歌うのに都合がいいように思いました。

でも、それとは別に、クライバーのDVDで観るリハーサルの姿と恍惚的な表情は、何度見ても感動します。下手な演奏者を我慢しながらクライバーが指導しているシュトゥットガルト放送交響楽団のリハーサルの映像は、彼の若き日の記録として貴重な映像だと思いました。