「わたり来て ひと夜を鳴きし 青葉木菟(あおばずく)
二夜は遠く啼きて今日なし」
(馬場あき子)
意訳:
渡り鳥の青葉木菟がやってきて一晩啼きました。二晩目は、少し遠くから鳴き声が聞こえ、今日ははもう聞こえてきません。
アオバズクは、日本全国に、5月下旬から6月初旬に東南アジアから飛来する渡り鳥で、フクロウの仲間です。
人家に近い場所で「ホッホッ」と鳴くので、「アオバズク」を「フクロウ」と思っている人も多いようです。
この歌は、夏鳥のアオバズクが、近所にやってきて、「旅の途中の鳴き声」を詠んだ歌のようです。
一晩二晩は聞こえたのですが、三日目にはアオバズクが最終目的地に向かって飛び去ったため鳴き声が聞こえなくなったという情景を歌っています。
多分5月頃の情景ではないでしょうか?
「いよいよ夏がやってきた」という「作者の思い」が伝わってきます。
さて、アオバズクの最終目的地である千葉県の森では、抱卵中のメスをオスが見守っています。(6月21日掲載のアオバズク)
その後のアオバズクの様子をみるため、梅雨のつかの間の曇り日だった7月7日に現地に行ってみました。
前にいた場所に、アオバズクがいないので、その近くを探してみるました。
すると、別な木で1羽のアオバズクをみつけました。
多分、先日掲載のアオバズクのオスと思われます。
この木の付近の室(むろ)でメスが抱卵しているはずです。
オスのアオバズクは、木陰に隠れて、簡単には見つからない場所で、目を開いて見張っていました。連日の見張りで、睡眠不足のはずですが昼間でも目を開いて頑張っていました。
まだ、営巣中と思われます。
もうすぐアオバズクの子供たちと会えそうな気がします。
参考:6月21日掲載の見張っていたオスのアオバズク
昨年、同じ場所で撮影したアオバズクの子供たち(2014年7月30日掲載)