なかなかなかね野鳥と自然の写真館

疾風怒涛の時代が過ぎ去っていきます。私たちがその中で、ふと佇む時、一時の静寂と映像が欲しくなります。微妙な四季の移ろいが、春や秋の渡りの鳥たちや、路傍の名もない草花にも感じられます。このブログは、野鳥や蝶、花や野草、四季の風景などの写真を掲載しています。

正月二日のウグイス

もう正月二日になりました。

昔の正月は陰暦なので、ほぼひと月遅れのため、正月には、気のはやいウグイスが鳴いてもおかしくなさそうです。

源兼澄(みなもと の かねずみ)作の和歌に



正月二日、近江へまかるに、逢坂こえ侍(はべ)るに鶯(うぐいす)のなくを聞き侍りて


「ふるさとへゆく人あらば 言伝(ことづて)む 今日うぐひすの初音聞きつと」(後拾遺集


注)逢坂(あふさか) 山城・近江国境の峠。東国との境をなす関所

(意訳)故郷の都へ行く人があったなら、伝言しよう。今日逢坂で鶯の初鳴きを聞いたと。


下のウグイスの写真は初冬と早春に撮影したウグイスの写真です。

また、花札にある梅にウグイスは、メジロであり江戸時代の人はウグイスとメジロを混同していたとの説もあるようですが、この説は少しあやしいようです。

江戸時代にはメジロもウグイスも鳥屋さんが籠つきで販売しており、鶯の初音と囀りを競っていたようで、現代人よりもこの鳥たちを詳しく知っていたようです。

池波正太郎の「鬼平」にも縁日の鳥屋で密偵が鬼平の奥様のプレゼントに鳥籠にいれたメジロを買い求めるシーンがありますよねぇ〜。

また、梅にウグイスがほとんど寄り付かないこともよく知っていて、盆栽の梅を室で温めて花を咲かせ、ウグイスの環境も暖かくして、人為的に「梅にウグイス」を演出し自慢したことなどが当時の川柳に詠まれているそうです。

昔の人も春を告げる鳥ウグイスと初春に咲く梅を一緒にさせることに大変な努力をしていたようです。


大町公園のウグイス(12月)

手賀沼遊歩道のウグイス(3月)

我孫子駅前梅林のメジロ(3月)