なかなかなかね野鳥と自然の写真館

疾風怒涛の時代が過ぎ去っていきます。私たちがその中で、ふと佇む時、一時の静寂と映像が欲しくなります。微妙な四季の移ろいが、春や秋の渡りの鳥たちや、路傍の名もない草花にも感じられます。このブログは、野鳥や蝶、花や野草、四季の風景などの写真を掲載しています。

ヨシ原の王者チュウヒの晴れ姿

今の時期、ヨシ原の王者チュウヒ(宙飛)の活躍を見ることができます。

チュウヒはカラスより大きめのタカの仲間で、主にヨシ原などの草地に生息します。

チュウヒには国内で繁殖・越冬している個体群と、越冬期に大陸から飛来してくる個体群があります。

国内で繁殖しているつがい数は約90つがいほどといわれており、蘆原などの生息地の減少もあり日本だけでなく世界中でも希少種となっていて、わが国の環境省のレッドデータリストでは絶滅危惧1B類となっています。

そのため、チュウヒは、わが国でも広大な蘆原のある限られた地域でしか見ることができません。

幸い関東地方では、渡良瀬遊水地、浮島、利根川流域などに広大な葦原があるため、毎年観察することができます。

チュウヒの狩をする姿は、羽をV字に固定しながら滑空する独特なもので、猛禽の力強さを表す勇壮な姿です。

チュウヒは、蘆原を垂直離着陸して獲物を捕る鷹なので、イギリスのハリアー垂直離着陸戦闘爆撃機の名前の由来といわれています。


以下の写真は、正月に利根川下流の蘆原を滑空する国内型のチュウヒの晴れ姿です。