なかなかなかね野鳥と自然の写真館

疾風怒涛の時代が過ぎ去っていきます。私たちがその中で、ふと佇む時、一時の静寂と映像が欲しくなります。微妙な四季の移ろいが、春や秋の渡りの鳥たちや、路傍の名もない草花にも感じられます。このブログは、野鳥や蝶、花や野草、四季の風景などの写真を掲載しています。

晩春に羽ばたくヒドリガモ

多くのカモが春の渡りで姿を消しているのに3羽のヒドリガモが帰らずに残っています。オス2羽とメス1羽です。ヒドリガモの家族かもしれません。

3羽が同じ水域で動き回っていましたが、そのうち突然羽ばたき始めました。何度も羽ばたいていました。

遅(おそ)まきながら帰る訓練をし始めたのでしょうか?

もうヨシキリが鳴いているのに、この鴨たちはいつ帰るのでしょうか?


鴨(かも)は、一般に冬の季語(きご)なのですが、実は、カモの行動によって季語が変化するようです。

鴨は北方から秋日本に渡ってきます。それを「初鴨(はつがも)」といい、秋の季語だそうです。

そして、日本で越冬して、春には北方に帰るのですが、それを「鴨帰る」「帰る鴨」「鴨引く」「引鴨(ひきがも)」といって春の季語とのことです。

日本に居残る鴨もいるようです。これらの鴨は、「残る鴨」「春の鴨」といって春の季語となるようです。

また、夏になっても帰らずに雛(ひな)を育てる鴨もいます。これを「通し鴨」といって夏の季語となるとのことです。

ここのヒドリガモはひょっとして帰らずにずっと残るつもりなのでしょうか?




「のこれるは 荒波にをり 鴨かへる」
     
     (水原秋櫻子 みずはらしゅうおうし)