なかなかなかね野鳥と自然の写真館

疾風怒涛の時代が過ぎ去っていきます。私たちがその中で、ふと佇む時、一時の静寂と映像が欲しくなります。微妙な四季の移ろいが、春や秋の渡りの鳥たちや、路傍の名もない草花にも感じられます。このブログは、野鳥や蝶、花や野草、四季の風景などの写真を掲載しています。

さすらいのミゾゴイ

東京の公園の茂みに、ミゾゴイが来ていました。1週間ほど滞在しているそうです。

暗い茂みを歩き回って、ミミズをみつけ、クチバシでつまみ上げて、長いミミズを飲み込んでいました。このミゾゴイは、滞在期間中に「人間は、何もしない。」と学習したのか?、歩きながら、人の近くに寄ってきて、何度もこの行為を繰り返していました。

ミゾゴイは、コウノトリ目サギ科ミゾゴイ属に分類される鳥です。

ミゾゴイの名称は、溝(みぞ)にいる五位鷺(ごいさぎ)という意味で、つけられたようですが、実際は、「沢にいる山の鳥」です。

薄暗い林にすむミゾゴイは、これまで、あまりよく知られていなかったため、「夜行性の鳥」とされてきましたが、最近の調査結果では、「営巣中、親鳥は、いつも、昼間にエサを捕りに行き、ヒナにエサを与えるのも昼間だけだった。」そうで、必ずしも、「夜行性の鳥」とは、言えないとのことです。

以前、ミゾゴイは、珍しい鳥ではなかったようですが、1980年代以降、生息数が激減し、現在の生息数は世界で1,000羽以下と推定され、国際的に絶滅が心配されており、環境省レッドリストで「絶滅の危険が増大している」絶滅危惧II類(VU)に指定されています。

現在、繁殖が確認されているのは、日本だけで、本州、四国、九州、伊豆諸島の山林で営巣しているようです。

英名は、Japanese Night Heronです。

全長49cmで、ヨシゴイより大きくゴイサギより小さく、ハシボソガラスとほぼ同じくらいの大きさの鳥です。夏鳥として飛来して、平地から山地のよく茂った林や沢筋に生息するそうです。

春と秋の渡りの時は、市街地や畑などでも記録されており、その多くは、フィリピンや台湾で、越冬するようですが、九州や西南諸島で越冬する鳥もいるとのことです。

この公園のミゾゴイも渡りの途中なのでしょう。ミミズをいっぱい食べて、旅の準備をしているのでしょうか?

あまり長く撮影していたら、ミゾゴイのお食事の迷惑になりますので、早々に引き揚げました。