なかなかなかね野鳥と自然の写真館

疾風怒涛の時代が過ぎ去っていきます。私たちがその中で、ふと佇む時、一時の静寂と映像が欲しくなります。微妙な四季の移ろいが、春や秋の渡りの鳥たちや、路傍の名もない草花にも感じられます。このブログは、野鳥や蝶、花や野草、四季の風景などの写真を掲載しています。

羽ばたくコクガン

今年の2月18日から谷津干潟に,シベリア東部で繁殖し、国内にはほとんどが東北北部、北海道南部の各地域で越冬する絶滅危惧II類(VU)(環境省レッドリスト)で、天然記念物(1971年)に指定されているコクガンが飛来しています。

谷津干潟には2011年12月9日に3羽が飛来しており4年ぶりの到来とのことです。

また、2011年11月に三番瀬海浜公園(千葉県船橋市)にも飛来しており、その前年(2010年)も、またその翌年(2012年)も観察されていますので久しぶりの到来です。

コクガンは、マガンより一回りほど小型で61cmほど、カンの仲間の中では小型の種類です。それでもオナガガモより一回り大きく、カルガモとほぼ同じぐらいの大きさでオオバンより2回り大きいので、この谷津干潟では立派に見えます。

コクガンは、雌雄は同色で、頭部、頸、胸、背が黒く、頸に結構太いネックレス状の白い模様が入るのが特徴で、腹部は灰色、下尾筒は白です。

まだいてくれるのか不安でしたが3月4日土曜日に谷津干潟に行ってみました。

嬉しいことにコクガンは、オナガガモオオバンの群れやヒドリガモなどと一緒に休んでいました。

そのうちコクガンは泳ぎだし、浅瀬で立ち上がって大きく羽ばたきました。

羽ばたくと大きく見え、とても立派です。

王者の風格すら感じました。

いつまでこの干潟にいてくれるのでしょうか?


「帰る雁 田ごとの月の 曇る夜に」        (与謝蕪村