なかなかなかね野鳥と自然の写真館

疾風怒涛の時代が過ぎ去っていきます。私たちがその中で、ふと佇む時、一時の静寂と映像が欲しくなります。微妙な四季の移ろいが、春や秋の渡りの鳥たちや、路傍の名もない草花にも感じられます。このブログは、野鳥や蝶、花や野草、四季の風景などの写真を掲載しています。

春のあぜ道にいた珍鳥サバンナシトド

3月4日は、4月ころのような暖かい上天気になりました。

絶好(ぜっこう)の野鳥撮影日和(やちょうさつえいびより)なので、重い腰を上げて、昨年の12月より話題になっているサバンナシトドの撮影に行ってきました。

サバンナシトドは、埼玉県蓮田市の田園地帯の水路脇のあぜ道に、よく現れるとのことなので、その近くの道路で待機して出現するのを待ちました。

そのあぜ道にはオオイヌフグリの花もあちこちに咲いていて、暖かいそよ風も頬をかすめ、春の訪れを強く感じさせてくれました。


ウィキペディアWikipedia)によれば、クサチヒメドリ (草地姫鳥、学名:Passerculus sandwichensis)は、スズメ目ホオジロ科に分類される鳥類の一種である。以前は、サバンナシトドとも呼ばれていた。


この説明によればサバンナシトドは現在も俗称で正式名称でないような印象をうけますが、現在の鳥類目録改定第7版でサバンナシトドは正式名称になっています。

サバンナシトドという名称は、鳥類目録改定第5版では見送られ、第6版で検討対象になり、第7版で正式名称となったようです。

また、1980年初版の高野伸二著「野鳥識別ハンドブック」(日本野鳥の会)によれば、この本は改定第5版に基づいて書かれているため(付)サバンナシトドと表記されていて以下のように説明されています。

全長約14cm。比較的小さくて尾が短い。上面は褐色で頭頂から背には黒色の縦すじがあり、過眼線、顎線は黒褐色。眉斑にはやや黄色味があるが白いものもいる。
目先も黄色い。えりから下面は淡褐色で明らかな黒い縦すじがある。北アメリカ大陸の中部以北で広く繁殖する。

日本では千葉県東庄町(1981年3月)、青森県六ヶ所村(1980年10月)、鹿児島県出水市(1977年11月)で捕獲され標識されているほか宮城県伊豆沼(1971年1月)茨城県涸沼(1971年3月)で1羽ずつ観察されている。

最新の日本野鳥の会 高野伸二著「フィールドガイド 日本の野鳥」増補改定新版ではサバンナシトドと掲載されその説明文に和名クサチヒメドリと記載されています。

いずれにしても日本にこの鳥は迷鳥として飛来するので、従来より珍鳥として知られていたようです。

このサバンナシトドは、3月4日朝9時半ころから10時半ころまでに2回あぜ道に出てきましたがすぐに隠れてしまいました。

このあぜ道にはホオアカやタヒバリなどもよく出てくるのでサバンナシトドかどうかを見分けるのに苦労しました。また、この鳥が、田んぼの土の中にいる時は、保護色のため目立たないため見つけるのにも苦労しました。

地元の人の話では、この田んぼもそろそろ「春の農作業」が始まるようです。

ひょっとしたら3月4日がこの珍鳥を撮影できる最後の日だったのかもしれません。