なかなかなかね野鳥と自然の写真館

疾風怒涛の時代が過ぎ去っていきます。私たちがその中で、ふと佇む時、一時の静寂と映像が欲しくなります。微妙な四季の移ろいが、春や秋の渡りの鳥たちや、路傍の名もない草花にも感じられます。このブログは、野鳥や蝶、花や野草、四季の風景などの写真を掲載しています。

峠のコマドリ

5月の太陽が、森林を初夏のたたずまいに変貌(へんぼう)させて、小鳥たちが、初夏の歌を歌います。ここは、甲斐(かい)の山の中です。まわりには、まだ、わずかに残雪をみることができます。

陽だまりは、暖かですが、そよ風は少し冷たく感じます。暖かい陽につつまれて、じっとしていると、眠くなります。とてもいい季節です。眠気をこらえながら、路傍(ろぼう)に腰かけていると、チョコ、チョコと倒木の上にコマドリのオスが出てきました。

まわりをうろついて、えさ探しをしています。鳴いてくれるかと、期待しているのですが、餌探しに夢中で、囀(さえず)ってくれません。でも、木の上の舞台(ぶたい)で、可愛い仕草(しぐさ)をしてくれました。


「駒鳥(こま)の声 日をよぶ雲の 梢(こずえ)かな」
                          (幸田露伴