朝、暗いうちから鳥たちは動き始めます。
寝ぼけ眼(ねぼけまなこ)でぼんやり遠くを見ていると、枯れ木にゴジュウカラがとまるのが見えました。
注意してよく見ると、その仲間の小鳥たちが、近くの針葉樹に5〜6羽、忙しそうに飛びまわっています。
ゴジュカラは孤独な鳥なので、この群れは、エナガやヒガラなどの混群かもしれません。
今は、ゴジュウカラたちの「朝食の時間」のようです。
ゴジュウカラは、スズメくらいの大きさの鳥で、「木登り」、「木さがり?」が得意な小鳥です。「木登り」できる鳥は啄木鳥(きつつき)やキバシリなどがありますが、頭を下にして木の幹をかけ降りることのできる鳥は、ゴジュウカラしかいないようです。
その移動方法は、互い違いに脚を出すのではなく小刻みに跳ねていくのです。
こんな面白い行動をする鳥なのですが、人里ちかくでは、めったに見かけません。
山奥の原生林に棲む鳥のようで、亜高山地帯の針葉樹林にもいるようです。冬には山麓部にも降りてくるようです。
ゴジュウカラは、枯れ枝にこだわる鳥だそうで、その割れめに「針葉樹の種子」を貯蔵する習慣もあるようです。
このゴジュウカラも枯れ木にこだわっていまして、何度もこの枯れ木にとまりに来ていました。
今回は、木のてっぺんまで登って、その頂上でくるりと向きを変えました。
得意の「木さがり」をするかと思っていたら、飛んで、道を隔てた白樺の木の裏に姿を消しました。
そのうち、その白樺の木の表側にひょっこり姿を現しました。
何かの実をクチバシにくわえています。得意そうな顔をしています。
でも、また白樺の裏側に姿を消してしまいました。
朝のゴジュウカラは、とても忙しそうです。
「むずかしや どれが四十雀 五十雀(ごじゅうから)」 (小林一茶)