なかなかなかね野鳥と自然の写真館

疾風怒涛の時代が過ぎ去っていきます。私たちがその中で、ふと佇む時、一時の静寂と映像が欲しくなります。微妙な四季の移ろいが、春や秋の渡りの鳥たちや、路傍の名もない草花にも感じられます。このブログは、野鳥や蝶、花や野草、四季の風景などの写真を掲載しています。

乗鞍高原のゴジュウカラ

朝、暗いうちから鳥たちは動き始めます。

寝ぼけ眼(ねぼけまなこ)でぼんやり遠くを見ていると、枯れ木にゴジュウカラがとまるのが見えました。

注意してよく見ると、その仲間の小鳥たちが、近くの針葉樹に5〜6羽、忙しそうに飛びまわっています。

ゴジュカラは孤独な鳥なので、この群れは、エナガやヒガラなどの混群かもしれません。

今は、ゴジュウカラたちの「朝食の時間」のようです。

ゴジュウカラは、スズメくらいの大きさの鳥で、「木登り」、「木さがり?」が得意な小鳥です。「木登り」できる鳥は啄木鳥(きつつき)やキバシリなどがありますが、頭を下にして木の幹をかけ降りることのできる鳥は、ゴジュウカラしかいないようです。

その移動方法は、互い違いに脚を出すのではなく小刻みに跳ねていくのです。

こんな面白い行動をする鳥なのですが、人里ちかくでは、めったに見かけません。

山奥の原生林に棲む鳥のようで、亜高山地帯の針葉樹林にもいるようです。冬には山麓部にも降りてくるようです。

ゴジュウカラは、枯れ枝にこだわる鳥だそうで、その割れめに「針葉樹の種子」を貯蔵する習慣もあるようです。

このゴジュウカラも枯れ木にこだわっていまして、何度もこの枯れ木にとまりに来ていました。

今回は、木のてっぺんまで登って、その頂上でくるりと向きを変えました。

得意の「木さがり」をするかと思っていたら、飛んで、道を隔てた白樺の木の裏に姿を消しました。

そのうち、その白樺の木の表側にひょっこり姿を現しました。

何かの実をクチバシにくわえています。得意そうな顔をしています。

でも、また白樺の裏側に姿を消してしまいました。

朝のゴジュウカラは、とても忙しそうです。


「むずかしや どれが四十雀 五十雀(ごじゅうから)」  (小林一茶