なかなかなかね野鳥と自然の写真館

疾風怒涛の時代が過ぎ去っていきます。私たちがその中で、ふと佇む時、一時の静寂と映像が欲しくなります。微妙な四季の移ろいが、春や秋の渡りの鳥たちや、路傍の名もない草花にも感じられます。このブログは、野鳥や蝶、花や野草、四季の風景などの写真を掲載しています。

戸隠のアカハラ

朝早くからカッコウホトトギスやウグイスの鳴き声にまじって「キョロン キョロン チー」と澄んだ大きな声が聞こえてきました。

朝もやの戸隠高原の林の中の枝でアカハラが鳴いています。


「はるなれど 赤はらつぐみ 
         きて鳴けば 葛飾(かつしか)野べは いとどさびしき」   (中勘助


中勘助(なかかんすけ)は、夏目漱石(なつめそうせき)の門下生の作家・詩人で、大正9〜12年頃、手賀沼公園近く(我孫子市白山)に寄寓していました。「沼のほとり」「銀の匙(さじ)」などの作品が知られています。

この歌に詠(よ)まれてように、我孫子市(あびこし)付近ではアカハラは、冬鳥ですが、中部地方の山岳地帯は、繁殖地のようなので、戸隠高原(とがくしこうげん)では、夏の時期でも見ることができます。

さっきまで、囀(さえず)っていたアカハラも、カメラに気づいたのか、囀りをやめて落ち着きがなくなりました。キョロキョロしています。

お邪魔しては悪いので、早々に立ち去りました。