なかなかなかね野鳥と自然の写真館

疾風怒涛の時代が過ぎ去っていきます。私たちがその中で、ふと佇む時、一時の静寂と映像が欲しくなります。微妙な四季の移ろいが、春や秋の渡りの鳥たちや、路傍の名もない草花にも感じられます。このブログは、野鳥や蝶、花や野草、四季の風景などの写真を掲載しています。

カワセミのダイビング(えび編)

チィーという鳴き声がしました。カワセミです。カワセミがやってくる時、この鳴き声をよく聞くことができます。池のほとりの大きな木にとまりました。葉っぱに隠れて姿がよく見えません。高い木の上から魚を狙っているようです。ずいぶん長い時間をかけて狙っています。カワセミは、そこで頑張るのを諦(あきら)めて、こちらの止まり木にやってきました。こっちを向いて水面(みなも)を狙っています。今度は、飛びこみました。くわえてきたのは魚ではなくてエビのようです。少し大きいので食べるのにてこずっています。エビを木に叩きつけて失神させて、自分の身体をくねらせて、足でエビを押さえつけたりしているようです。なんとか食べたようにも見えますが、エビを落としてしまったのかもしれません、次の餌の捕獲の準備を始めました。毎日、カワセミは、何度もこんなことを繰り返して生活しているようです。鳥も懸命に生きています。頑張れ!頑張れ!


「川せみや柳静かに池深し」  正岡子規

閑話休題 マーラー 交響曲第2番「復活」

最近、この交響曲のCDをよく聴いています。これまで、あまりマーラーを聴いていなかったのは、トスカニーニフルトベングラーが、マーラーの曲を演奏していないことが影響しているのかもしれません。それでも、交響曲第1番「巨人」は、ワルター指揮、ニューヨーク・フィルのLPでは、よく聴いていたのですが・・・。

最近よく聴くようになったのは、「死」を身近に感じられるようになった所為(せい)かもしれません。

グスタフ・マーラーは、ベートーヴェンの生きていた時代ではなくて、現代の指揮者であり作曲家でした。ベートーヴェンの時代は、神を素朴に信じられる時代だったのかもしれません。彼の作曲した交響曲は、確信的な表現ですが、マーラーは、懐疑的な色彩が強くでてきます。特に、彼の後期の交響曲は、暗い表現が多いのです。しかし、まだ、この交響曲のような初期の作品には、神を信じたい願望が強く表れているようです。
この交響曲が「復活」(Auferstehung)という標題で呼ばれるのは、第5楽章で歌われるフリードリヒ・クロプシュトックの歌詞による賛歌「復活」(マーラー加筆)からくるもので、マーラーがつけた名前ではありません。この表題は、多くの人々の「よみがえり」を信じたいという願望を、この長大な交響曲の中に感じるから、通称となったのでしょう。
私が、所有しているこの曲のCDは、ワルター指揮、ニューヨーク・フィル、とバーンスタイン指揮、ニューヨーク・フィル ライブ、クレンペラー指揮、フィルハーモニア管弦楽団,クレンペラー指揮バイロイト放送響ライブです。
どの演奏もすばらしいものです。が、しいていえば、録音も演奏も充実しているのは、バーンスタインのライブ版です。この版がベストかもしれませんが、2枚組で途中でCDを取り替えるのが厭(いや)なので、私が、よく聴くのは、クレンペラーのライブ版です。
この演奏は、年代のわりに録音がよくて、長い曲なのに1枚のCDで聴ける気楽さとライブの緊張感に満ちたスケールの大きい演奏に惹(ひ)かれるからです。

この交響曲を聴くと、死後の復活が神によって保障され、何か希望を与えてくれるように感じられます。そこで、第5楽章で歌われる「復活」の詩を下記に掲載します。(Wikipedia マーラー 交響曲第2番「復活」の記述より作成しました。ドイツ語の後に和訳があります。)


第5楽章 [nach KLOPSTOCKS HYMNE "DIE AUFERSTEHUNG"

Chor und Sopran

Auferstehn, ja auferstehn, wirst du,
Mein Staub, nach kurzer Ruh.
Unsterblich Leben wird,
der dich rief, dir geben.

Wieder aufzublühn wirst du gesät!
Der Herr der Ernte geht
und sammelt Garben
Uns ein, die starben.

Alt solo

O glaube, mein Herz, o glaube:
Es geht dir nichts verloren!
Dein ist, dein, was du gesehnt.
Dein, was du geliebt, was du gestritten!

Sopran solo

O glaube: du wardst nicht umsonst geboren!
Hast nicht umsonst gelebt, gelitten!

Chor und Alt

Was entstanden ist, das muß vergehen.
Was vergangen, auferstehen!
Hör auf zu beben!
Bereite dich zu leben!

Sopran und Alt solo

O Schmerz! du Alldurchdringer!
Dir bin ich entrungen!
O Tod! du Allbezwinger,
Nun bist du bezwungen!
Mit Flügeln, die ich mir errungen,
in heißem Liebesstreben werd ich entschweben      
Zum Licht, zu dem kein Aug gedrungen.

Chor

Mit Flügeln, die ich mir errungen
Werde ich entschweben.
Sterben werd ich, um zu leben!
Auferstehn, ja auferstehn wirst du,
mein Herz, in einem Nu!
Was du geschlagen,
zu Gott wird es dich tragen!

第五楽章 クロプシュトックの賛歌『復活』に従いて

合唱とソプラノ

よみがえる、そうだ、おまえはよみがえるだろう、
私の塵よ、短い憩いの後で。
おまえを呼ばれた方が
不死の命を与えてくださるだろう。

おまえは種蒔かれ、ふたたび花咲く。
刈り入れの主は歩き、
我ら死せる者らの
わら束を拾い集める。

アルト独唱

おお、信じるのだ、わが心よ、信じるのだ、
何ものもおまえから失われはしない!
おまえが憧れたものはおまえのものだ、
おまえが愛したもの、争ったものはおまえのものだ!

ソプラノ独唱

おお、信じよ、おまえは空しく生まれたのではない!
空しく生き、苦しんだのではない!

合唱とアルト

生まれ出たものは、必ず滅びる。
滅びたものは、必ずよみがえる!
震えおののくのをやめよ!
生きることに備えるがよい!

ソプラノとアルト独唱

おお、あらゆるものに浸み渡る苦痛よ、
私はおまえから身を離した!
おお、あらゆるものを征服する死よ、
いまやおまえは征服された!
私が勝ち取った翼で
愛への熱い欲求のうちに私は飛び去っていこう、
かつていかなる目も達したことのない光へと向かって!

合唱

私が勝ち取った翼で
私は飛び去っていこう!
私は生きるために死のう!
よみがえる、そうだ、おまえはよみがえるだろう、
わが心よ、ただちに!
おまえが鼓動してきたものが
神のもとへとおまえを運んでいくだろう!