いつの間にか彼岸(ひがん)が過ぎて、もうすぐ神無月(かんなづき)。残暑の暑さもすっかり退化して、秋の涼しさがやってきました。
爽やかな秋晴れの公園を散策すると、鮮やかな赤い曼珠沙華(彼岸花の別名)が咲いていました。
曼珠沙華(まんじゅしゃげ)は、仏教のサンスクリット語の経典に書かれているmanjusakaの花の名を漢字に音訳したもので、「吉兆として、赤い花が天から降ってくる」というおめでたい花です。
有名な仏典の法華経(ほけきょうー妙法蓮華経)の序品に「仏はこの経を説きおわられ、結跏趺坐(けっかふざ)し、無量義処三昧(むりょうぎしょざんまいー無限の奥深い意義の基礎という三昧)に入りて、身心動じたまわざりき。そのとき、天は曼陀羅華(まんだらけ)、摩訶曼陀羅華(まかまんだらけ)、曼殊沙華(まんじゅしゃけ)、摩訶曼殊沙華(まかまんじゅしゃけ)をふらして仏の上および大衆の上に散じ、あまねく仏の世界は六種に震動(しんどう)す」とあります。
曼珠沙華は、法華経を説きおわったブッダの頭上に天から降ったありがたい花なのです。
今日、この花をたくさん見たので、いいことがあるかもしれません。このブログを見ていただいた皆さんにもいいことがありますように・・・。
「つきぬけて 天上の紺 曼珠沙華
(つきぬけて てんじょうのこん まんじゅしゃげ).」 山口誓子