手賀沼周辺の田んぼの上空の彼方からヒバリの囀りが聞こえてきます。
いつもヒバリの鳴き声を聞いていると夏目漱石の小説{草枕}の中でのヒバリの描写を思い出します。
彼はイギリスのロマン派詩人シェリーの「To a Skylark」(雲雀ひばりに寄せて)の一節(第18節)を次のように翻訳しています。
We look before and after
And pine for what is not:
Our sincerest laughter
With some pain is fraught;
Our sweetest songs are those that tell of saddest thought.
「前を見ては、後(しり)えを見ては、
物欲しと、あこがるゝかなわれ。
腹からの、笑といえど、苦しみの、そこにあるべし。
うつくしき、極みの歌に、悲しさの、極みの想(おもい)、籠(こも)るとぞ知れ」
この漱石の訳は文語調なので口語訳にすれば
前をみたり後ろを見たりして
私たちは、ないものを探し求める
心から笑っているときも
私たちは不安から逃れられない
どんなにやさしい歌の中にも悲しい思いが潜んでいる
となります。
今しきりに鳴いているヒバリはそんな心情なのでしょうか?
以下の写真は、キヤノン望遠ズームレンズEF100-400mmF4.5-5.6L IS USM+エクステンダー1.4IIをCanon EOS 7D Mark II に装着し手持ち撮影しました。