なかなかなかね野鳥と自然の写真館

疾風怒涛の時代が過ぎ去っていきます。私たちがその中で、ふと佇む時、一時の静寂と映像が欲しくなります。微妙な四季の移ろいが、春や秋の渡りの鳥たちや、路傍の名もない草花にも感じられます。このブログは、野鳥や蝶、花や野草、四季の風景などの写真を掲載しています。

大空で囀るヒバリ

手賀沼周辺の田んぼの上空の彼方からヒバリの囀りが聞こえてきます。


いつもヒバリの鳴き声を聞いていると夏目漱石の小説{草枕}の中でのヒバリの描写を思い出します。


彼はイギリスのロマン派詩人シェリーの「To a Skylark」(雲雀ひばりに寄せて)の一節(第18節)を次のように翻訳しています。


     We look before and after

     And pine for what is not:

     Our sincerest laughter

     With some pain is fraught;

     Our sweetest songs are those that tell of saddest thought.


「前を見ては、後(しり)えを見ては、
 物欲しと、あこがるゝかなわれ。
 腹からの、笑といえど、苦しみの、そこにあるべし。
 うつくしき、極みの歌に、悲しさの、極みの想(おもい)、籠(こも)るとぞ知れ」


この漱石の訳は文語調なので口語訳にすれば


 前をみたり後ろを見たりして
 私たちは、ないものを探し求める
 心から笑っているときも
 私たちは不安から逃れられない
 どんなにやさしい歌の中にも悲しい思いが潜んでいる


となります。


今しきりに鳴いているヒバリはそんな心情なのでしょうか?


以下の写真は、キヤノン望遠ズームレンズEF100-400mmF4.5-5.6L IS USM+エクステンダー1.4IIをCanon EOS 7D Mark II に装着し手持ち撮影しました。