なかなかなかね野鳥と自然の写真館

疾風怒涛の時代が過ぎ去っていきます。私たちがその中で、ふと佇む時、一時の静寂と映像が欲しくなります。微妙な四季の移ろいが、春や秋の渡りの鳥たちや、路傍の名もない草花にも感じられます。このブログは、野鳥や蝶、花や野草、四季の風景などの写真を掲載しています。

秋の梅林のジョウビタキ

       「鶲(ひたき)来て 
             色つくりたる 枯木かな」
 
                  ( 原 石鼎 )


毎年やってくるジョウビタキが、梅林に現れました。いつもとまる梅の木にとまっています。この俳句に詠まれてように、枯れ木のような梅の木が、ジョウビタキが枝にとまると、オレンジ色の花が咲いたような感じになります。

あたりを見ていたジョウビタキは、そのうち、口を大きく開けて鳴きました。あまり、よくは聞こえませんでしたが、「ヒッ、ヒッ、ヒッ」と鳴いたのか「カッ、カッ」と鳴いたのでしょう。

日本に渡ってきたばかりのジョウビタキは、自分の縄張り宣言のために、忙しく「ヒッ、ヒッ、ヒッ」と鳴くのだそうです。

ジョウビタキのこの鳴き声が、火を炊くときの火打ち石を打ち合わせる音に似ていることから「火炊き(ヒタキ)」という名前が付けられたといわれています。


以前、山階鳥類研究所の専門家からジョウビタキの冬羽と夏羽の違いを教えていただいたのですが、それによると、「ジョウビタキは、秋のうちはそれぞれの部位の羽毛の先端に褐色の羽縁があって、それで褐色みを帯びて見えるので、比較的地味に見えます。そのジョウビタキが、春になると、一枚一枚の羽毛にあった褐色の羽縁がだんだんと摩耗して、それぞれ基部側の黒なり白の部分がじかに見えて夏羽となり、とても華やかになる。」とのことです。

したがって、このジョウビタキは、オスの冬羽成鳥ということになります。

この冬羽のジョウビタキも、それなりに綺麗ですが、来年、梅の咲く頃には、もっと鮮やかな夏羽になっていることでしょう。




撮影機材 (手持ち撮影)

オリンパス ミラーレス一眼

1.OM−E E−M1ボディ (パワーバッテリー・ホルダー HLD−7付)

2.レンズ  M.ZUIKO DIGITAL ED 75-300mm F4.8-6.7 II