なかなかなかね野鳥と自然の写真館

疾風怒涛の時代が過ぎ去っていきます。私たちがその中で、ふと佇む時、一時の静寂と映像が欲しくなります。微妙な四季の移ろいが、春や秋の渡りの鳥たちや、路傍の名もない草花にも感じられます。このブログは、野鳥や蝶、花や野草、四季の風景などの写真を掲載しています。

ヤドリギの実を食べるヒレンジャク

「あしひきの 山の木末(こぬれ)の 寄生(ほよ)取りて
  挿頭(かざ)しつらくは 千年(ちとせ) 寿(ほ)くとぞ」

                大伴家持万葉集

(意訳)

  山の木々の梢(こずえ)の「宿り木(やどりぎ)を取って髪に挿(さ)しているのは千年の長寿を願う気持ちからです。


注)寄生(ほよ):ヤドリギの別名



ヤドリギは、広葉樹の木に寄生し、その幹から養分などを 吸い取って生息する植物です。
秋冬に紅葉して落葉すると、ヤドリギの丸っこい茂みがよく目立ちます。

その茂みは、枝と葉っぱの固まりで、茂み中にある実は丸くて大きく透明で美味しそうに見えますが、苦味があり粘着性があって美味しくないとのことです。

それでも、連雀たちはヤドリギの実が大好物のようで、ヤドリギに取り付いて、その実を採食し食べ終わると枝で休み粘着性のある実を排便します。

粘着性のあるその実を食べたレンジャクの糞(ふん)は、紐状(ひもじょう)に長く伸びて、樹木にとりつき、ヤドリギの子孫となって、この木に寄生し、仲間をふやしていきます。

この場所には、たくさんのヤドリギの実がついているので、ヒレンジャクたちは、その丸く絡(から)まっている緑の頑丈な茎(くき)に器用につかまり、競い合ってその実を食べています。

ヒレンジャクたちは、この実を食べつくすとこの場所を去って、よそに移動していきます。

ヒレンジャクたちは、ヤドリギの丸い実をくわえると、とても満足そうな顔をします。まだ多くの実が残っているので余裕を持っているのかもしれません。

食べ終わると、すぐに又、実をさがして食べています。

ヤドリギの実をたくさん食べると、さすがのヒレンジャクも苦い味がこたえてノドが渇くのかすぐに水を飲みに水場に移動します。

このヒレンジャクも近くの水場に飛んでいってしまいました。














参考:以前、同じ場所で撮影したヒレンジャクの写真です。最後の1枚は、この近くの水場のヒレンジャクです。