鹿島灘(かしまなだ)に面した「ひたちなか市平磯(ひらいそ)」の海岸付近は、多くの岩礁(がんしょう)が点在(てんざい)しています。
太平洋から押し寄せる怒涛(どとう)の波は激しいのですが、この場所は、太平洋から流れ込む 日本海流(黒潮)と三陸沖から流れ込む千島海流(親潮)がぶつかり合う潮目となり、 一帯は水産資源が豊富であり、多くの海鳥が集まります。
この日は風が強いので波が高く海鳥たちは岩礁に囲まれた穏やかなところに集まっていました。
多くの雌雄のウミアイサたちも波を避けて集まっています。
一番岸辺に近くまで来ていたウミアイサのオスは単独でゆっくり泳いでいましたが、そのうち寂しくなったのか?メスのいるほうに向かって泳いでいきました。
メスに近づいたウミアイサのオスは、メスと併走し始めました。
遠くの単独で浮かんでいたウミアイサのメスが、突然、羽ばたきました。
そこは、大きな岩に囲まれて穏やかな水面でした。
でもそれらの岩の外は外洋の大きな白波が砕け落ちていました。
海鳥たちはこんな厳しい環境の中でも逞(たくま)しく生きています。
怒涛の波が押し寄せる鹿島灘(カモメが飛んでいます)
ウミアイサ♂
ウミアイサ♂♀
ウミアイサ♀
喫茶去:期待される日本の重力研究について
日本時間2月12日、全米科学財団と国際研究チームが、米国の重力波望遠鏡LIGO(ライゴ)で、2つのブラックホールの合体によって発せられた重力波の検出に世界で初めて成功したと発表しました。
光は、電場や磁場の振動が伝わっていくもので,すでに十分観測されていましたが、100年前に、アルバート・アインシュタインが、「重力も波のように伝わっていく」ことを予言し、この波を重力波と名づけました。
これまで間接的な証拠は見つかっていたものの、重力波が直接検出されたことはありませんでした。
日本でも、岐阜県の神岡鉱山の地下に大型低温重力波望遠「KAGRA(かぐら)」を設置して本格的に重力波観測を始めようとしていました。
でも、今回、初めて全米科学財団と国際研究チームが重力波を検出してしまいました。
これは、これまで見ることのできなかった宇宙を調べることが可能になったという点で、ノーベル賞級の成果となり、天文学における記念碑的業績となったようです。
そのため、この発見は、実は「終わりの初め」なのです。
重力は、非常に身近に感じられるのですが、実は現代でもあまりよく分かっていないそうです。
重力は、ニュートンの万有引力の法則により多くのことが理解されましたが、十分ではありませんでした。ニュートン理論の不十分なところは、アインシュタインの相対性理論により解明されました。でもそれだけで十分ではなかったのです。
今まで、宇宙の解明にはもっぱら「光」を使って分析されてきました。
宇宙の始まりは、「光」では、見れないのですが、重力波なら詳細に観測できる可能性があるかもしれません。
つまり、いままで分かっていなかった「宇宙論」とは、「別次元の宇宙論」が展開されるかもしれないのです。
アインシュタインは、相対性理論で、もうひとつ重要な予言をしています。
「重いものがあると、そのそばで光が曲がる」という事実です。この動力源は、正体不明のため「暗黒物質」や「暗黒エネルギー」と呼ばれています。
宇宙はこれらの「得体の知れないものが」充満していて、私たちの知っている星や星雲、惑星などは、宇宙から見ればほんの一部だけの存在のようです。
私たちが知っている「宇宙の理論」は、ほんの一部だけを説明しているに過ぎません。
最近では、重力波観測によって「暗黒物質」や「暗黒エネルギー」の研究も始まっています。
これらの正体が突き止められれば大発見になることは間違いありません。
今、重力研究はニュートン理論、アインシュタイン理論に次ぐ「第3の黄金時代」に入ろうとしているようです。
私たちは、今後、日本の誇る「すばる望遠鏡」の「暗黒物質」や「暗黒エネルギー」による「光の曲がり具合の研究」や2年後に本格稼動する「日本のKAGRAの重力波観測」などの活躍に期待したいものです。